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碁法の谷の庵にて

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2008年08月05日
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テーマ:ニュース(99567)
松本サリン事件で、寝たきり状態で意識もほとんど戻らなかった河野澄子さんが、亡くなられたとのこと。死因は、サリンのために発生した障害であったようです。


ご冥福をお祈りいたします。



松本サリン事件は、現在の私を形作った事件の一つであるといっても過言ではありません。
犯罪と報道をめぐる不幸な事態が最も端的に表れた事件でした。刑事法に首を突っ込むことが多くなったのも、この事件がきっかけの一つであることは間違いありません。
事件が発生したのは私が小学生の時でしたが、本格的に首を突っ込んだのは、高校時代だったと思いますけども。





河野家で最初に異変に気付いたのは、飼っていた犬2頭(事件で死亡)だったようです。何かおかしいぞ、犬が毒でも盛られたのか?と思ったら、澄子さんが倒れ、やがて義行氏にも異変が起こり、すぐさま通報した、ということのようです。
2人のお子さん(現在は二人とも無事成人しています)はいた場所がよかったのかサリンの被害はほぼ免れました。長男の方は、当時まだ10代前半だったと思いますが、永田弁護士が一目置くほどのしっかり者で、義行氏が弱っていた中マスコミに見事に応対していたようです。
やがて、サリンで体を悲鳴を上げている河野氏宅に、殺人罪で捜索が入り(令状を出すのはわからんでもないのですが、なぜ殺人罪なのかはいまだに首をかしげています)、サリンで弱り切った河野氏に取り調べが行われました。最初、河野氏は自分に変なことを言っているマスメディアをどうにかしようという趣旨で、地元の弁護士、永田恒治氏に依頼したようです。永田弁護士はこの手の事件はあまり引き受けたくなかったようですが、引き受けた永田弁護士は警察対策に奔走。このあたりの温度差が埋まるには、両者に時間が必要だったようです。逮捕されれば身体的に弱りきっている河野氏は自白してしまうかもしれないし、と言って任意出頭も負担がかかる…そんなぎりぎりの選択の中で、じわりじわりと河野家でサリンはできないということが明らかにされていき、熱狂的な報道姿勢に対して、大きなくさびが打ち込まれました。

やがて、マスコミは一斉横並び謝罪をしました。某新聞は、性質上あまり事件については大きくは扱っていないし別にいいですよ、と言ったのですが、それでも謝罪記事を載せたりしたようです。

そして、翌年。皮肉にも地下鉄サリン事件が起こり、10人以上の死者が出るという形で、河野義行氏の無実は広く知れ渡ることとなりました。いや、それでも「何をしらばっくれているんだ、お前がオウムだということは分かっている」などという手紙を送ってくる不埒者もいたようですが。

河野義行氏は、確かこんなことを言っていたと思います。
「サリンをまいたのがオウムだといわれても、実感がない。目の前で繰り返される報道被害の方が辛かった」

澄子さんが、それをどのように受け止めていたか、意識が戻ったとしてどのように考え、あるいは行動したかは定かではありません。あくまでも義行氏の感覚であることは注意しておくべきであるとは思います。しかし、河野氏は14年にわたって回復するかどうかわからない(本人はそれでも希望を持っていらっしゃったようですが)スミ子さんをずっと見てきたことは、間違いのない事実であろうと思います。



サリン事件から14年たちました。

あれから、刑事司法はがらりととはいかないまでも相当に変わりました。
意見陳述制度ができ、性犯罪の公訴時効が撤廃され、時効期間も延び(ただし、法改正の成果が出てくるのはまだまだ先の話です)、少年法が厳しい処分を可能にし、刑法における法定刑も厳罰が用意されるようになりました。処罰の中身も厳刑が使われる様になったとよく言われるようです。
これからの制度として、裁判員制度、検察審査会の起訴議決、犯罪被害者の訴訟参加、少年審判の被害者傍聴なども導入となるようです。
犯罪被害者に対して、他にも基本計画や保護基本法が作られました。それで十分なのかという批判は今なおあれど、取り組む姿勢を見せているといってよいでしょう。

教団も、まともと言えるかどうかはともかく、多少なりとも社会との関係を見直し、犯罪行為に対しては反省する姿勢を見せているようです。それが本物かどうかは、団体規制法などによる監督を待つほかないとしても。


では、マスコミは変わったでしょうか?
サリン事件当時、某雑誌の編集長は、「すぐ弁護士をつけるところなんかが怪しい」といいました。その編集長、今はあの弁護士懲戒請求騒動の火付け役となった番組のレギュラーです。裁判員制度に懸念ありという説の一つが、報道の現状にあることも、知ってのとおりです。



改めて、事件によって起こった悲惨な被害を見つめ直す必要があると同時に、事件を巡る不幸な結果を生んだ原因を考える必要があります。
私が河野義行氏に敬意を表するのは、自分を守ったのが手続法の考え方にあることを理解し、オウムだけ例外という態度を取らないからです。重大な事件が起こったらぽろっと、「この件は例外」などと教訓を忘れる人が多い(そんな教訓なら持たない方がマシなのですが…)中で、彼の基本路線はぶれることがないように思います。その見識には、まだまだ学ぶべきことがあると思います。





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最終更新日  2008年08月05日 18時38分39秒
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