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2012.04.20
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カテゴリ:数学鑑賞
完全なる証明 100万ドルを拒否した天才数学者
マーシャ・ガッセン 青木薫 訳 文春文庫

100万ドルの賞金がかけられた数学上の問題「ポアンカレ予想」。今世紀中の解決は無理といわれた難問の証明を成し遂げたロシア人ペレルマンは、しかし賞金を断り勤めていた研究所も辞めて、森へ消えた。なぜか? 彼と同時代に旧ソ連の数学エリート教育をうけた著者だからこそ書けた傑作評伝ノンフィクション。解説・福岡伸一

数学の世界で世紀の難問される『ポアンカレ予想』を証明したグリゴーリー・ペレルマン(グリゴリー・ペレルマン)の半生を教師や数学者など関係者へのインタビューを元に描いた本でした。ペレルマン自身は、如何なるインタビューにも応じなくなってしまい、関係者からのインタビューによって生い立ちや証明に至る過程を描いているのですが、主役が何も語っていないので、まるで故人のドキュメンタリーを観ているようでした。ペレルマンは本当に天才のようで、子供の頃から数学オリンピックで活躍していて、解けない問題は無いようでした。ペレルマンは数学以外では上手く立ち回れないものの、周りの人たちの様々なサポートがあり、周りの人たちの様々な配慮があって数学者になることができ、そしてポアンカレ予想が証明されたようです。もし、ペレルマンが数学者になれていなかったら、ポアンカレ予想が他の数学者によって証明されるには少なくとも半世紀はかかったのではないかと思います。ソ連の数学、学校や大学といった環境から描かれているので、本当に外堀からペレルマンを描いているように感じました。そして、ソ連でのユダヤ人という立場についても、なかなか感慨深いものがあります。
余談ですが、ペレルマンが証明を発表した後、中国の数学者もポアンカレ予想を証明したと言い出しました。中国といえば、著作権や肖像権を無視して自分のものにしてしまうイメージがあるのですが、数学でも同じようなことをやっていたというのはなんだか苦笑してしまいます。また、その数学者たちがニューヨーカー誌に対して謝罪を求めたという一文を読んだ時は、この国の人たちは謝罪ばかり求めているのだと、あきれてしまいました。勿論、この中国人数学者たちの論文は後に否定されています。
この本は、ドキュメンタリーのようで実によく出来ていると思いますが、ペレルマンへのインタビューが一切無いというのはやはり些か物足りなさも感じます。逆に言えば、ペレルマンへのインタビューが無いのにここまで描けたのは凄いですが。ちなみに、この著者、マーシャ・ガッセン。男性だと思って読んでいたのですが、最後の訳者あとがきに『著者ガッセンがその難事をなしえているのは、彼女自身の生い立ちによるところが大きい。』という一文を読んだ時に初めて女性だとわかりました。確かに“マーシャ”は女性らしい名前に思いますが、意外に英語圏以外の名前というのは男性か女性か一瞬で判断しにくいです。
ペレルマンとは関係のないところで印象に残った文章があったので、書いておきます

偉大な数学者になりたければ、音楽や視覚芸術や、詩に通じていなければならないし、それと同じくらい身体も丈夫でなければならない―それがコルモゴロフの考えだった (37ページ)
確かにアインシュタインはバイオリンを弾いていましたし、数学者は美しい定理を求めるようなので、数学者にとって“音楽・視覚芸術・詩”を嗜むのは必要条件なのかもしれません。読みながら納得しました。最後の“それと同じくらい身体も丈夫でなければならない”というのはすんなりとは納得できませんでしたが、体も鍛えるというのはなんとなく古代ギリシャを連想させます。
むしろたいていはうまくいかないもんだ。それが普通だよ。それが人生というものさ。 (195ページ)
数学者というのは誰も解いたことのない問題を考えているわけなので、やはりそうは簡単に証明ができたり新たな数学の分野を作ったりはできないものなのだと改めて思いました。人生もうまくいかないのが普通だと思えば、何事にもめげずに生きていけそうです。
数学者とは、ものごとを徹底的に区別し、それらを整理し、体系づける人たち―いわば偉大なる分類学者なのである。 (212ページ)
数学者を分類学者と同類というのは初めて目にしました。数学者といえば計算、あるいは演算、というようなイメージですが、確かに現代数学では様々な分類をしているようなので、分類学者とも言えるのでしょう。

★★★★★★★★☆☆
完全なる証明
100万ドルを拒否した天才数学者





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最終更新日  2012.04.28 16:10:32
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