北雪旅シーズン5 その7
1月28日お昼前に三陸鉄道南リアス線でJR大船渡線の「盛駅」に到着しましたが、ここからは津波の被害を市街地にもモロに受けた地域となります。乗り換え時間が40分ほどあったので、駅前を散策して飲食店を探しましたが、駅前は閑散としていてひとつだけやっていた食堂は満席。工事関係者の人や地元の運送関係の人たちばかりでした。復興のため、みなさん必死になって働いているのですよね。暇な観光客がお邪魔してもなんなので、おいとまして…… 本当は魚がとってもうまいところなのですけどね。残念。駅に戻ってまずびっくり。。三陸鉄道はもちろん線路ですが、同じホームの反対側には線路はなくアスファルトで埋め固められてどうみても道路…。JR大船渡線は、ここ盛から大船渡、陸前高田、気仙沼を経て東北本線一ノ関まで結ぶ路線ですが、海沿いの大船渡から気仙沼までは線路が流されたりして壊滅的な打撃をこうむったので、現在鉄道は運転してません。そのかわり、BRT(バス高速輸送システム)というので主要都市間を結んでます。普通の代行バスとどこが違うのかというと、これまで線路が敷かれていた部分を舗装してバスが走れるようにして、他の車が通れない専用道路にして渋滞関係なく、できるだけ以前の鉄道並の時間で結ぼうということです。ただし、路盤もろとも流されてしまったところは、町の区画整理そのものに時間がかかるので、一部は一般道路も走ります。なので、盛駅の乗り場も、以前の鉄道が発着していた駅構内のプラットフォームがそのままです。やってきました、JR大船渡線の列車ならぬバス。BRTはほかの路線バスと区別するため、地元でもこの呼称に統一してます。専用道路は、線路側に遮断機があって、バスが近づくと遮断機が上がります。道路側には警報機がないので、バスは一時停止して進みます。盛駅からしばらくは専用道路でしたが、大船渡の駅は流されてしまったらしく、「駅」となっているバス停は復興中の町の中でした。それからまたしばらく専用道路に戻りましたが、陸前高田の近くになるとバスは完全に山際の道を走り、以前あった町があった場所とはサヨナラ…。「陸前高田」の駅は、なんと高台にある仮設市役所事務所の前でした。となりの仮設駅「高田病院」もプレハブの仮設の建物。まだまだ復興はこれからです。山の方の居住地をぐるっとまわってから、再度「町があった」陸前高田の海べりにバスは下りていきます。広大な原野を重機が区画整理している最中。海の方は高いところに復興道路ができ、その周囲は堤防工事で土煙があがってました。ダンプカーの隊列の中、BRTは申し訳なさそうに走るのですが、あの「奇跡の一本松」のあたりは観光スポットになっていて、ドライブインもありました。かろうじて道路の向こうに見えますね。沈痛な気分のBRTの旅は1時間半ほど続き、13時59分に気仙沼につきました。ここもサンマの水揚げ量日本一の港町ですが、30分の乗り換え時間ではちょっと気の利いたお昼にありつくのは厳しそうだったので、駅の売店でちょいと遅めのお昼をゲット。朝と夜に贅沢してますから昼は節約モードで…ここから先は鉄路が復活です。気仙沼線というのも海沿いに走ってますが、こちらもBRT。鉄道は大船渡線の残り半分。ちょっとややこしいですけどね。14時29分発の列車で一ノ関を目指します。1時間20分ほどの旅。途中、山を越えたあたりで小雪が舞います。東北の一つのパターンですね。一ノ関で新幹線に乗り換えて仙台17時8分着。さあて~次いきますか