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カテゴリ:仕事
昔、あるオランダ人留学生と日本語で会話したことがありました。随分
流暢な日本語で、感心しました。ただ、出身地の話になったとき、 「あなたは田舎者ですか」と言われました。正直むっとしたのですが、 すかさず反対側に座っていた年配の日本の方が、 「田舎者と言うとよくないイメージがあるんですよ。田舎の人とか、地方の 人という表現がいいでしょう」 と言いました。そのオランダ人は熱心にその話に耳を傾けていました。 つまり、田舎者という意味をよく理解しないまま使っていたのです。 言葉というものが、使い方で印象を大きく変えるエピソードでした。 イギリスの古典、『Load Chesterfield's Letters to His Son』 チェスターフィールドの「息子への手紙」 竹内均 訳 には、 それを思い出させるものがありました。 以下、抜粋させていただきます。 話し上手の人間になりたかったら、どうしたらいいのだろうか。 話し上手の人間になりたいという目標を常に心に置いて、その表現の ために本を読んだり、文章の練習をするなど、全神経をそこに集中させる のだ。 とりあえずは、自分にこう言いきかせてみる。私は社会でいっぱしの 人間になりたい。そのためには、話がうまくなくてはならない。まず、 日常会話を磨き、正確で品位があり、気取りのないは話し方を身につける よう心がけよう。古典、現代ものを問わず、雄弁家の書いた本を読もう。 話がうまくなるためだけにそれを読もう。そう自分に言いきかせるのだ。 実際、そういう目的で本を読む時は、文体、言葉の使い方に気をつけると いい。どうすればもっと良い表現になるか、自分が同じことを書いたとしたら どこが劣っているかを考えながら読むのだ。 同じ意味合いのことを書いても、著者によってどれだけ表現がちがうか、 表現がちがったら、同じことでもどれだけ印象がちがうか、に気をつけながら 読むといい。どんなに素晴らしい内容でも、言葉の使い方がおかしかっ たり、文章に品位がなかったり、文体がそぐわなかったら、どれだけ興ざめ するかをよく観察しておくといい。 また、どんなに自由な会話でも、どんなに親しい人にあてた手紙でも、 自分のスタイルを持つということは大切なことだ。 話をする前に準備をすることは大切だが、それができなかった場合でも、 せめて話が終わった後に、もっと良い話し方はなかったか、と考えてみる だけでも向上につながるだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年05月21日 07時00分21秒
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