|
カテゴリ:野菜
いろいろあるナス科野菜の中でも、ピーマンは比較的寒さに強く、長く収穫することが
できます。この秋は暖かい日が続いているので、なおさらです。 今年は全く台風が来なかったので、助かっています。 手前はししとう。奥がピーマン。 以下、相馬暁著『野菜学入門』~抜粋させていただきます。 ピーマンの履歴書 細長くて、真っ赤に色づくトウガラシと、グリーンのほうずきのようにフックラと膨らんだ ピーマンでは、まるで違います。しかし、ピーマンは紛れもなく、トウガラシの一種なの です。トウガラシの辛くないのがピーマンなのです。 ピーマンを含めてトウガラシ一族の古里(原産地)は、中央アメリカから南アメリカの 熱帯地方と言われています。ペルーでは、実に2000年以上も前の遺跡から トウガラシのカケラ(遺片)が見つかっています。もう、その頃から栽培されていたのです。 このトウガラシを、コロンブスが1493年に、トマトやジャガイモと一緒にスペインに 持ち帰りました。それにより、ヨーロッパに辛いトウガラシが広がったのです(15世紀)。 そのため、トウガラシの別称をスペイン胡椒とも言っています。そして今でもスペイン ばかりではなく、ハンガリーなどでも辛トウガラシの栽培が盛んです。 その後、ポルトガル人やイギリス人によって、インドに伝わり、ここも一大産地となり ました。ここではインド胡椒と呼ばれ、今ではインド料理の香辛料として、欠かせぬ 物となっています。 中国には、このインドを経て、17世紀に伝わり、キムチの国・朝鮮には中国経由で 普及したようです。 トウガラシの日本への渡来については、いくつかの説があります。 1542年(天文11年)にポルトガル人によってもたらされたとする説(佐藤信淵ら) 秀吉の朝鮮出兵(1592~1600年)の際に持ち帰ったとする説(貝原益軒 『大和本草』) 慶長年間(1596~1614年)に南蛮より入ったとする説 江戸時代に中国から渡来したとの説、 などがあります。恐らく16世紀から17世紀にかけて、何回かにわたって渡来した のでしょう。 どちらにせよ、100年足らずの間に、コロンブスが新大陸から持ち帰った トウガラシが、はるばる日本までやって来たのは歴史上の事実です。 一方、今、食べられているようなピーマン(甘トウガラシ)は、辛トウガラシから、 米国で品種改良によって生まれてきた産物です。 ピーマンの日本への上陸は遅く、本格的に栽培が開始されたのは明治以降です。 ピーマンの効能 ピーマンは、トマトと同様に、太陽の光をタップリ浴びたものほど、ビタミンCが多く、 夏が旬の野菜です。ピーマンはビタミンC、A、Dをバランスよく高濃度に含んだ 緑黄色野菜で、夏のスタミナ源として、食卓には欠かせない野菜です。ビタミンCの 含有量は、大きめのピーマン1個でレモン1個分もあります。そのため、夏の ピーマンはメラニン(皮膚の色素)代謝や脂肪代謝を促進し、シミ、ソバカス、 かぶれや吹き出物に効果があります。また、脂肪の代謝をスムーズにする効果が ありますので、高血圧や動脈硬化の予防ばかりか、肥満防止にも役立ちます。 また、カロチンやビタミンCが身体に抵抗力をつけて、夏バテを防いでくれますし、 血液の浄化作用もありますので、皮膚に張りが出て、髪や爪も色つやがよくなります。 まさに、美容食としても最適です。子どもばかりでなく、大人達も大いに食べたい 野菜です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年10月25日 07時19分18秒
コメント(0) | コメントを書く |