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2019/01/06
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 交流電流に関する正しい理解とそれに基づく健全な認識を、世界中の知識人たちのすべてが例外なく失っている。この事実にすら実のところ、まったく気付いていない、というのが世界の現状なのである。簡単に止まっていた筈の温暖化現象は、そのためにいつまでたっても悪化し続けている。消費者が電力需要を消してしまいさえすれば、大気中の二酸化炭素はその分だけ確実に減る、というこれまで永くそう信じられてきた大前提は、誤っていたことが判明した瞬間に、たちまち意義を失い崩れてしまった。パリ協定とはその段階で萌芽した、過ちに充ちた過去を糊塗するための、急ごしらえの新らしい枠組みのことなのだ。


 交流電流には周波数という、欠くべからざる重要な成分で成り立っている。タービン軸に装着された永久磁石を高速で回転させることによって、磁束密度とそれが円運動する量的割合によって、電源が内包する磁界に生じる変化を導き、高い起電力を誘導するという仕組み。その段階で異なったベクトルを持つ、二種類の電流を同時に生み出している、というのが交流電流の本質なのである。交流(オルタナティブ・カレント=AC)というその名称と略号は、磁界に生じるもう一つの電流の存在を意味している。

  右と左へと同時に向かう正反対に異なった二種類の電流が、交互に出現する電流を生み出すことから、交流電流と呼ぶようになった。交流電流は磁場変化の割合が高いために、変圧が容易で高圧化することが簡単にできる。長距離送電を実施するためには、できるだけ高圧化した方が、電流損失を小さくすることができるので、送電効率のよいシステムを成り立たせ易い。電力は電流と電圧の積であることから、一方の増加は他方の低下となって顕在化する。電圧を高くしてやれば、電流値を小さくして電気抵抗で失われる電流の値を、大きく減らすことが可能になる。電流値が小さければ小さいほど、送電途上で熱となって消えてしまう電流は大きく減る。熱損を最小化するために高圧化を実施すれば、より多くの電流をエネルギーとして、高度利用することが可能になる。 


交流電流とは要するに、送電するための技術なのである。交流から電気エネルギーを取り出すためには、事前に直流化しておかなければならない。そのために電気製品の回路には、整流するための素子や脈流を消すための複数の素子が、数多く散りばめられている。平滑化を行うことで電圧振動を無害化し、回路を流れる電流電圧のもつ波の変化をなくしてやれば、その状態を安定的に保たせる平滑化が成り立つ。

 交流電流がもつ固有の波形は、電圧の移動形態を指し示すものであり、水平線を境にして突出した山側の波を、右に流れようとする電流だと規定したとき、左に流れでる電流を谷側の凹んだ波が担当する。正弦波が示しているあのなだらかな曲線は、水平線をゼロボルトへと位置づけ、それぞれのピークを140ボルトに保つことで、上り下りの工程ごとに平均で100ボルトとなるよう、その電圧の移動形態を円滑に制御している。交流電流というものは周波数の関与が、欠くべからざる必須の条件として予め定められている。このため周波数変動がひとたび生じると、発生させた電流を安全に使いこなすことが、たちまち不可能な状態となるリスクを常に孕んでいる。そのために不測の事態に陥ると、広域停電と呼ばれるブラックアウトが発生する。昨年秋に北海道電力で発生させたブラックアウトが、その代表的な日本での最初の事例となった。
  総ての火力発電所は節電実施の有無や、再生可能電源の能力拡張の度合いに関わらず、化石燃料である炭化水素の燃焼を、量的に調節制御することがまったくできない。その事実を業界が長期間隠し続けている、ということが温暖化をのっぴきならないレベルへと、これから急速に押し上げることだろう。


交流電源の本質成分は磁極のSとNとを強制的に切り替えることで、磁束の向きを人為的に相互に反転させ、その変化を常に維持するためのスイッチングを、四六時中行っているよう条件づけられている。起電力を生み出すための磁場変化の量を、交流発電機のタービン翼に担わせ、電力の安定供給を世界規模で維持する、そんなシステムで電力ビジネスが統一されたのだ。温暖化を止めようとして節電に励んだり、再生可能エネルギーを大量に導入したりしてみたところで、火力発電所の燃焼炉の火を、電力業界は例外なく保ちつづけていなければならないのだから、温室効果ガスであるCO2を減らす能力など、当初から失なわれていたのである。電力業界はその事実を相変わらず、口を固く閉ざして黙り込んでいる。これが京都議定書の定めた方法で、二酸化炭素をまったく減らせなくした原因となったのであり、却って大きく増やしてしまったその理由ともなったのである。



世界中の物知りたちが寄って集って、温室効果ガスの濃度上昇を自ら加速させている、ということになる実に浅はかな経過が、このようにして善と信じて、哀れにも精力的に生み落されるようになっていた。膨大な情報量を誇っている知識階級が、交流電流のもつその意味をまったく理解していなかった、ということが止まらない温暖化と、気候変動が生む自然災害の狂暴化とを、自らの手で引き寄せる経過を拡大させた。文明が陥ったこの愚かさに気付き、そこから大いに学ぶことこそが、新文明の登場を急がせる契機をつくる。無知は、まことに禍の種。業界関係者以外にこの間の消息を知る知識人は、未だに皆無。増え続ける温室効果ガスの濃度上昇、という経過の事実は真相を雄弁に物語っていたのだった。これこそが教育の高度化に邁進してきた、現代文明の当座の到達点となった、その荒れて寂れた岸辺の光景なのである。

これまでに文明が失ってきた富の総ては、ヒトによる事実誤認とそれを生み出した強固で身勝手な思い込み、などが独善的な確信を盲目的に信仰させた、特異な偏りの傾斜をもつ無自覚な集団を、指導体制へと無批判に押し上げてきた、その過去の連鎖が引き起こした余りにも粗末な結末。問題認識能力に課題が何もなかったのであれば、バブル経済の破裂崩壊など発生せず、その後の不作為の三年とそれにつづく失われた十年、それを倍増させた国会の判断の誤り、そして不毛な所業が生んだ粗末な経過、のそれぞれに対する指導者への、国民の諦念とそれに基づく無関心と、無防備で無批判なままの信頼を前提とする依存体質が、十年だった損失の時代を三倍にする結果へと、いましも結びつけようと鬩ぎあっている。


平成末期の異次元緩和を包摂する、新経済政策などに纏わる誤りの連鎖など、起きる筈のない損失に満ちた不毛な時代を、否応なしに次々と実現させてしまった、諸事実のマスを思い起こす必要がある筈なのだ。その自覚がまったく窺えない。まことに訝しいことである。 

その罪業の底深さと重さの両方が重大な結末を国民へと、これから押し付けるよう作用することになる。リバウンドとはまさしく、そのようなものであるからだ。長期的な経済の低迷という、これらに代表される一連の荒んだ現実こそ、なにより雄弁なその証人としての強烈な意味をもつ。国の活力を奪った当時の指導体制にあった全員が、犯意の自覚なき選良という立場を維持した。その罪の自覚の欠如という状態が、89年以降三十年経った今でも、かけらほども見当たらない状況にある。

交流電流に関する無知と同じ程度の劣った経済認識能力を、知識階級が当時もっていたということが、平成と呼ばれてきた時代のかくも長き、国民にとっての不幸を未だに与え続けている。世界が共有する将来の縮図のデッサン、としての固有の意味と価値とを、環境対策と経済対策のそれぞれが同じ程度に抱え込んでいる。止まらない温暖化という分厚く高いその壁は、文明の限界を物語るその格好の証拠、となって今後広くことある毎に引用されることだろう。自覚なき指導体制が抱きしめている錯誤ほど、国民にとって有害なものは外にない。







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最終更新日  2021/02/01 07:15:31 PM
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