000000 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【ログイン】

飯島多紀哉の七転び八転がり

PR

Rakuten Profile


飯島多紀哉さん

kindleで小説どんどん発表中!

フォローする


■ 趣味・関心キーワード
ゲーム  旅行  子供  映画•DVD鑑賞 

Category

Calendar

Recent Posts

Archives

Comments

コメントに書き込みはありません。

Keyword Search

▼キーワード検索

2007/08/11
XML
カテゴリ:その他
 実は、今回ゲーム業界に復帰するに当たって、何か自分に出来ることはないだろうか、色々と考えていた。こういうことを言うと怒られてしまいそうだが、今回の復帰は、再びゲームを作りたいという自分の意思で望んだものではなく、どちらかというと戻らざるをえなくなっての復帰だったのだが、当然やるからには全力で仕事をさせていただくつもりだ。それは、業界を離れる以前よりも、もっと精力的に活動していくということでもある。

 で、業界に戻ってきたら、コンシューマーでクリエイター気質のゲームは売れなくなっていた。昔のように、ゲーム出せば何でも売れるという時代ではなくなっていた。十万本がヒット作の最低条件と言われていたのもすでに過去の言葉となり、一部の大手メーカーを除いては、いかに一万本で利益を出すかという作り方に変わっていた。クリエイター性を前面に押し出したゲーム作品は多くのライトユーザーに手当たりしだい発信するのではなく、限られたコアユーザーを対象にしたより濃い作品作りに方向性は変わり始めている。だからこそ、コアユーザーが待ち望んでいるゲームを作れるであろうクリエイターということで、私が業界に連れ戻されたという背景もある。
 事実、限られた予算で手堅く一万本を売り、赤字を出さないクリエイターが、今の業界には求められている。超大手のメーカーは相変わらず十万本越えのヒット作を狙っているが、中堅どころや小規模のメーカーは、いかに一万本の売り上げを確保するか、どうやって予算をかけずに作品を仕上げるか、常に頭を悩ませているのだ。

 しかし、ゲームを発売すれば簡単に儲かるというオイシイ業界ではなくなったため、新人クリエイターが確保できないのも事実。一昔前は、スタッフの応募をするだけで軽く数百人が集まってきた。しかし、その中にはゲームを作りたいという意思よりも人気業界に就職したいという気軽な気持ちや企業に就職するという安定性を念頭に置いて業界に飛び込んでくる若者が多かった。この考えは、間違っていない。むしろ、正しい。だから、ゲームを愛するクリエイターよりも、一般常識を兼ね備えたオツムの良いエリートたちが業界にいっぱい流れ込んできたし、企業は彼らを採用した。果たして、そういう連中にゲームは作れたのだろうか?

 作れた。驚いた。ゲーム業界も馬鹿ではない。クリエイター気質を問われるゲームが一部のコアユーザーにしか売れなくなると同時に、クリエイター不要のゲームが台頭し、人気を集めることになる。脳トレを代表する、一連の作品群だ。これは何もDSの機能を活かしているからというだけではない。自分の世界を表現したいというクリエイターの作品を垂れ流す代わりに、ゲームを作品というよりも商品として捉え一般ユーザーが今何を求めているかを積み重ね研究した開発者たちの結果である。
 時代を追ってみると、これらの商品に関わっている開発者は、十数年前、ゲーム業界が花形だったときに流れ込んできた一流大学を卒業したエリートたちである。いわばクリエイター気質よりも、企業戦士の考え方を持ち合わせた開発者である。今のコンシューマー・ゲーム業界を支えているのは、まさしく彼らだと思う。自分の世界を発信したい考えを重視するクリエイターでは、脳トレを代表する作品群は作れなかっただろう。
 彼らは、コンシューマー・ゲーム業界の移り変わりを読み、ゲームに飽きてきた一般ユーザーを対象とした、ゲームというよりはライブラリーとも言うべきソフトと、それをより活用できるハードを世に送り出した。そしてそれは爆発的なヒットを生み、以降、類似商品は雨後の竹の子のように乱立し始めた。これもまた、世の流れというもので、今のコンシューマー・ゲーム業界を支えているのは、バブルの申し子たちであり彼らの能力による賜物だ。
 自分は一流大出のエリートたちにゲームが作れるものかと、彼らを舐めていた。しかし、クリエイターが支えきれなかったコンシューマー・ゲーム業界を支えたのは、クリエイターを必要としない商品たちだったのである。

 で、この現状はコンシューマー・ゲーム業界にとって当然受け入れられる。販売店は、売れる商品が揃って、儲かれば万々歳だ。しかし、ロールプレイングやアドベンチャー、シューティングやアクションを愛する昔からのゲーマーは、この状況をどう受け取っているのだろうか。
 ゲーム業界に戻ってきてからというもの、最近のゲームには華がないという嘆きをよく耳にするが、自分は何も心配していない。なぜなら、クリエイター気質のゲームが再び注目を集める日は、近い将来必ず訪れると思っているからだ。
 最近、DSでアドベンチャーが人気を集めているが、これは何も昔からアドベンチャーが好きだったユーザーが懐古趣味で遊んでいるわけではない。その購買層から考えるに、新規ユーザーが驚くほど多い。脳トレなどでDSに興味を示したユーザーが、新たにアドベンチャー・ゲームに興味を持っている。また携帯小説のブームからDSのアドベンチャー・ゲームに流れてくるユーザーも多い。二十代、三十代以上で、初めてアドベンチャー・ゲームに触れるユーザーがけっこうな数を占めると思われる。

 過去、コンシューマー・ゲームが一大ブームを築いたとき、その背景にはアドベンチャー・ゲームがあった。アドベンチャー・ゲームが一般層に受け入れられるようになり、ロールプレイング・ゲームやシミュレーション・ゲームが市民権を得ていくことになる。
 今、ゲームは先祖がえりを起こしていると思う。歴史は繰り返されるという名言が示すとおり、今後再び、商品ではなく作品という意味でクリエイターの手によるゲームが活性化する時代は来ると思う。しかし、それを支えるには、若手のクリエイターがもっと台頭しなければ面白くない。熟練のクリエイターと若きクリエイターがしのぎを削ってこそ、より面白いゲームが現れると思っている。
 そして、商品や作品がせめぎ合うことで、コンシューマー・ゲーム業界の歴史の中で過去最も賑わう時代が訪れる日が来ることを願ってやまない。

 そのために、自分に出来ることはないか考えた。そして、自分なりに出来ることをやってみようと思った。
 それは何か?

 ……何だか、ものすごく長い日記になってしまった。このあとも、長くなる。というわけで、この続きは次回のブログで。






Last updated  2007/08/12 12:59:45 AM


Copyright (c) 1997-2017 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.