カテゴリ:真空管
ARCTURUS....アークトゥルスと読むのかな?
ここがクロスレー社向けに製造した42なのですが.... ARCTURUSといえば青いバルブで有名なのですが、 これは灰色です。中身も見えにくい。 余談: 「超入門:真空管ラジオこれ」の主さんも、このCROSLEY by ARCTURUSの42を所有のようで、片方はクリアバルブです。 そして特徴的なのはプレートの形状で、 普通の42では上から見ると楕円のようなのですが、 この42は、47をそのまま傍熱管にしたような扁平な四角形なのです。 42ではない雰囲気をかもしています。 ちょうど、直熱管のフィラメントが通るところにヒーターの入ったカソードスリーブを立てたというか。 効率を考えてかヒーターは2本。プレートの向けてまんべんなく電子を飛ばせるようになっているようです。 カソードの先端がキュッと潰されているので、ヒーターが灯っているのが殆ど見えません。 丁寧な造りですね。 私はこの42を結構な価格で落札していますが、当時の価格と物価を考えると安いのかもしれません。 そして、この細いダブルヒーターの細いカソード、譲って頂いた主の話によると絶縁不良のものもあるそうな。 今後のことも考えて、カソード電位が高くなる直結アンプは避けたいところです。 楕円形状と扁平な形状では全く同じ特性には出来ないはず。 ラジオやアンプに挿して使ったときは42のように振る舞うけど、何かしら違いはあるはず。 譲って頂いた主の話でも「チューブチェッカーの良否判定では良すぎる数値が出てしまい、元々gmが高い構造なのでは」とのこと。 Ipは、手持ちの42三結アンプに挿したところ、他の42とほぼ同じ電流値でした。 確かに普通に繋げれば42なのです。(そりゃ42として製造販売されたものですから) 三結と五結の特性を測ってみました。 三結(Ep240V、Esg240V、Ecg=-16V)では、 Ip(+Ig2)=33.21mA rp=2748Ω gm=3667μS μ=8.6V/V 五結(Ep240V、Esg240V、Ecg=-16V)では、 Ip=33.18mA rp=38408Ω gm=3656μS μ=140.4V/V 参考までにTENの42(一般的な造りの42)の五結と三結。 三結(Ep240V、Esg240V、Ecg=-16V)では、 Ip(+Ig2)=30.78mA rp=2739Ω gm=2593μS μ=7.1V/V 五結(Ep240V、Esg240V、Ecg=-16V)では、 Ip=30.74mA rp=74560Ω gm=2635μS μ=196.5V/V 今回の測定から、 ARCTRUSの42(扁平プレート)は、 ・Ipは42の特性に合わせてある。(そりゃそうですよね、42ですから) ・gmとμが高い。 ・三結でのrpは変わらない。(五結では倍近い差異がある) ということがわかりました。 もしかしたら「ラジオや電蓄の音声感度を良くしたい」という意図で設計されたものなのかもしれませんね。 では音質はどうなんでしょうか....。 私は一寸聴いたくらいでは殆ど判別できませんでした。僅かに違うかなぁという程度のです。 今回は三結のアンプでの試聴でしたが、五結ですとまた違った結果になるかもしれませんね。 こういう違いは、使用するアンプ(回路の構成、前段に使う真空管の特性や出力トランスの性格)で異なってくるので、なんとも言えません。 実は私は、僅かな音質の差に鈍感でして、しかもあまりそれに興味や執着が無いんです。そこそこ良い音楽を奏でてくれれば合格みたいな感じで。 私の球ころがしは、オーディオ的な難しい話は抜きにして「色んな真空管が奏でてくれる音楽を純粋に楽しむ」「真空管そのものを楽しむ」ことなのかもしれませんね...。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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