カテゴリ:真空管
ebayでまた怪しげな真空管を購入しました。
MAZDAの3T100A2という送信管です。 ネット上にデータシートがあります。 6.3V4.2Aの送信管ですから、だいたい811Aクラスですね。 これの購入は苦労しました。 最初届いたのは2本ともガラスの割れ。これはセラーがすぐに代わりを送ってくれました。 次は2本中1本が真空度低下品。これは運が悪い。向こうは電気性能まで保証していません。セラーが「ああ、それは悲しいですね。私どもはまだ在庫がありますから1本購入していただければ2本送ります」と連絡があったので、1本購入で2本送ってくれました。 それほど高い球ではありませんが歩留まりはよくないです。 フィラメント切れのトラブルがないのが救いでした。 この手の送信管は真空度が落ちて使えないのが本当に多いです。 大丈夫だとしても自分が保管している間にも真空度が落ちます。 これらの送信管は半世紀以上の保管を前提として製造されていません。保守用としてもせいぜい10年保管でしょう。 そして難題はまだあります。 ピン並びが特殊すぎて、ソケットがありません。 ベーク板に穴を開けてソケットを作るしかないと思います。 左下から右回りに1番pin=F、2番pin=G、3番pin=NC、4番pin=G、5番pin=F、センター=NC、そしてトップ=Pです。 プレートも接続方法を考えなければいけません。 先に言っておきますが、 真空管を資産と思っている人は、こいつは買わない方がよいです。 ・オーディオ用として使いづらい ・この手の送信管は丁寧に保管しても、真空度が落ちるものが多い ・電気特性に相当のバラツキがある ・ゴミ箱行きが半数 ・売っても二束三文 これ本当です。 逆にこの球をオススメしたい人は、 ・ハズレ球を引いた精神的に打ちのめされることを楽しみたい人 ・正常に電流が流れるかハラハラドキドキしたい人 ・真空管購入をギャンブルだと思っている人 ・真空管購入はスマホゲームのガチャと同じと思っている人 こういう廃人です。 今になって思いますが、 普通の811Aとかを買った方がいいよな。 って感じです。 そういう後悔も真空管遊びの醍醐味ともいえます。 心を折ってなんぼです。(涙) etracerで電気特性を見てみましょう。 規格ではPp=60Wとなっていますが、A級アンプで使う場合は低く見た方がよいでしょうから45Wと見立てました。 Ep=400VでEsg=+18Vのとき、 Ip=72mA前後 rp=25000Ω前後 gm=4850前後 μ=120前後 因みに手持ちに3本ありますが、物凄いバラつきます。Ipが10mAくらい低いのもあります。 因みに811Aはどうでしょう。 (こちらもオーディオ用途でのPpは45W程度に見立てました。) Ep=400VでEsg=+20Vのとき、 Ip=72mA前後 rp=33000Ω前後 gm=5400前後 μ=180前後 参考までに、572Bのデータも。(ちょっと崩れてますが) Ep=400VでEsg=+32Vのとき、 Ip=75mA前後 rp=16500Ω前後 gm=3900前後 μ=65前後 結論としては、 811とほぼ同じに使えそうだけど811Aのほうがμが少し高くてrpも少し高めという感じですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Sep 18, 2022 08:27:03 PM
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