カテゴリ:真空管
オークションでPHILIPSの4624を使った自作アンプが出品されていましたので、落札しました。
出品者ご本人が作られたものだそうなので、回路図も一緒に付けて頂きました。 このアンプで気に入った点は、 ・とても繊細な音で、ルネサンス~バロックのリュート曲や声楽がとても心地よく聞こえる ・見た目もボリューム感ある真空管 ・初段は私の好きなC3g というところです。 オーナーは「300Bの音質は大変バランスがよいものの時分は好きにはなれず、高rp球の音が好きで普段から高rpの真空管アンプ愛用しています」とのことで、 その好みを色濃く反映しているのではないかと思います。 このアンプの気になった点は、 ・やや低音不足で出力トランスのインダクタンスが足りていない腰高感 ・右チャンネルのジーというノイズ(ごく僅かですが) このあたりは出力トランスの交換や配線で改善できそうです。 それにしても、このリュートの音色、良いですね。 気に入りました。 さて、このPHILIPS Miniwatt 4624という真空管、 真空管データベースの情報を見ますと、大変綺麗な特性が。 わくわくしますね。 実にしっかりした姿です。 ソケットはチョット特殊です。 三つ折りのフィラメントです。 この真空管の素性を知りたかったのでetracerで測定しました。 フィラメントは7.2Vで1.1Aです。 フィラメントが灯っているのは外から見えにくいです。 低目の650Vで測定。 Ep=650VでEg=-78Vのとき、 Ep=40mA rp =2900Ω gm=2100μS μ=6V/V Ip特性は綺麗なカーブを描いていますね。 この測定結果から、7kΩの出力トランスはちょっと合っていないという印象です。 アンプに取り付いているのはPMF-11WS-7というトランスで、コアも小さめ。 一応、7kΩ端子:4Ω端子で14kΩ:8Ωにみたててはいますが、この手法はあくまで「どうしても望みのトランスが無いとき」のものなので、14kΩとして使えるインダクタンスがあるトランスを使いたいところです。できれば20Wクラスの14kΩトランスに交換したいですね。 ゼネラルトランスにそういう20Wで14kΩのトランスがあるようなので、試してみようと思います。 もう1本はもう若干感度が悪い感じでした。(実際には問題は無いです) 中古の真空管で組んだアンプでしょうから、バラツキはあるのは仕方が無いと思います。 アンプビルダーやメーカー製と異なり、アマチュアの自作のアンプを買うというのは、人それぞれ音色の好みがありますし当たり外れもあると思います。 しかし、前オーナーと音楽の好みやスピーカーのことなど幾度かかメッセージを交わすと、 オーナーが目指した「音」や、このアンプが出来上がる「物語」をしっかりと感じ取ることが出来ます。 それもまた『音楽』であり『オーディオ』なのだと私は思っていますし、そういうオーディオの楽しみ方が自分に合っているなぁと感じています。 PHILIPS 4624 シングルアンプの改良(その1)と PHILIPS 4624 シングルアンプの改良(その2)に続きます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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