カテゴリ:真空管
手持ちにRTのR120という真空管があります。
EL3Nなどに似たヨーロッパ管の細長いダルマ型で、綺麗ですね。 R120は三極傍熱管で、2A3や6B4Gなどのような低rp特性だとか。 規格は、Frankさんの資料室にあるR120の規格表を参照ください。 ヒーター6.3V1.45Aで、6B4Gなどと比べtヒーター電力は食います。 プレート損失は15Wなので、大体2A3や6B4Gと互角ですね。 因みに三極管といっても多極管を内部接続した三極管だそうで、たとえば4033Lなどと同じですね。 6B4GTという多極管を内部で三結にした傍熱管があります。(のちほど紹介します) 本当にこれらは特性的に似通っているでしょうか? そう、etracerで見ればよいですね! ヒーターを灯すと...。 太いカソードが頼もしいです。 メッシュプレートなので、プレートの網状の模様が見えますね。 1本目: Ep=250VでEg=-36.5Vのとき、 Ip=51.29mA rp=909Ω gm=5873μS μ=5.3V/V 2本目: Ep=250VでEg=-38.5Vのとき、 Ip=52.99mA rp=935Ω gm=5332μS μ=5.0V/V 60mAくらいIpを流せばrp800Ω近くになると思いますが、常用アンプとしては250Vの55mA以下が丁度良いと思います。 比較として、6B4GのIpカーブはこちらです。 R120と6B4Gを比べてみると、 6B4Gに比べてR120のほうは高電圧になるにつれIpカーブが狭く寝てきていて直線性が悪いように見えます。 このあたりの直線性の違いが音質の違いになりそうでしょうか。 比較として、6B4G(傍熱型)のIpカーブはこちらです。 直熱型の6B4Gより4~5Vくらいバイアスが深いです。(だいたい46.5Vで50mAです) それ以外は大体同じ。(少しgmが高くて少しrpが低いくらい) ただし、高圧側の特性は寝てきています。 いかにもビーム管を三結にしましたと言わんばかりの特性です。 「なんだよ、こんなの買うんなら水平偏向管買って三結すればいいじゃん!」って思ったことは内緒です。(笑) 傍熱型6B4Gは名前も同じなので直熱の6B4Gの同等品ではありますが、やはり直熱型の綺麗な特性には勝てないかなと。 R120と6B4G傍熱型を比べてみると、高圧側で寝てくるのが共通しています。 多極管の三結はこういう傾向なのでしょうか?? 測定の結果から、R120の魅力は直線性の良さでは無さそうですね。 創造の館っぽく結論づけると「直線性の良くないR120は音が悪い」ってなってしまいます。 しかし根強いファンも多いということは、何かしら数値やグラフにあらわれない魅力があるに違いありません。 もしこれが「〇造の館」でしたら「直線性が良い方が音が良い」と断定するのでしょうが、 私は「みんな違ってみんないい」という考えです。 それに前段の直線性によっても結果が異なってきます。 とにかく、真空管の「個性」を楽しめば良いと思います。 オーディオなんか楽しんてナンボでしょ? (^▽^) なんでもかんでも白黒はっきりさせて断定しないほうがオーディオを音楽鑑賞の趣味として長く続けられるのではないかと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Nov 19, 2022 06:32:34 AM
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