カテゴリ:真空管
以前紹介しましたPHILIPS 4624 シングルアンプの、PHILIPS 4624 シングルアンプの改良(その1)続編となります。
今回の改良点は、以下の通りです。 ・出力端子を黒-赤-赤-黒-赤-赤から赤-赤-黒-黒-赤-赤に変更 ・出力トランスを7kΩ11W→14kΩ30Wに変更 ・真空管のPHILIPSロゴが前にくるように変更 ・ハンダ不良箇所が幾つかあったので、ハンダ修正 今回最大の変更点は出力トランスなのですが、 前回のブログでも書いたように、低音が薄いんです。 しかしこれは前オーナーと異なる環境(スピーカーや部屋)で聴くので仕方の無いことです。 (私は前オーナーが一生懸命作ったアンプの製作意図や音楽に対する想いを出来るだけ尊重する方針です) ここは環境に合わせて、ある程度は変更すべき所かなと思いました。 さて、トランスの選定ですが、 ゼネラルトランスさんには14kΩのトランスは、PMF-30WS-14KとPMF-20WS-1410があります。(PMF-7WS-14Kというのもありますが、あまり電流を流せないので大型管には不向きですし周波数特性が悪すぎて論外です。何よりも私は小さな出力トランスが大嫌いです。あまり好きではありません。) インピーダンス特性を見ると20WS-1410のほうが、なんというか巻き数で稼いでいるような特性で30WS-14Kはコアの大きさで対応しているような印象でした。(あくまで素人のイメージです) 2台買うと1万円近く違いますが、ここは自分の考えを押し通すことに。 元々のPMF-11WS-7K-BOXと新しく取り付けるPMF-30WS-14Kでは穴位置が全くことなります。(そもそも大きさが異なりますし、重さは倍も違います) そこで、今までのシャーシの穴をそのまま使えるよう、アルミの変換アダプタを作りました。 ![]() これで何とかなりそうです。 出力トランス取り付けの配線は、小さなシャーシに密集した部品を避けながらですので苦労しました。 他人が作ったものなので苦労します。 キワドイ空中配線も多く、高圧のところは気をつけます。 ![]() 良い感じで取り付けられました。 ![]() このアンプの最終的な変更点は、以下のようになっています。 ・入力切り替えSWを介さず直結 ・入力VRを介さず47kΩの固定抵抗に変更。 ・初段のC3gを五結から三結(Sgには120Ωを挿入)に変更 ・初段のC3gプレート負荷抵抗を三結に合わせ56kΩ→51kΩに変更 ・C3gのプレート負荷抵抗の抵抗値を変更 ・終段グリッド直前に3.3kΩの抵抗を取り付け ・RCA入力コネクタの位置を、上赤R/下白Lを 上白L/下赤Rに変更。 ・出力端子を黒-赤-赤-黒-赤-赤から赤-赤-黒-黒-赤-赤に変更 ・出力トランスを7kΩ11W(4Ω端子を使い14kΩに見立ててる)→14kΩ30Wに変更 ・真空管のPHILIPSロゴが前にくるようにソケットの向きを変更 ・ハンダ不良箇所が幾つかあったので、ハンダ修正 後ろの出力トランスが大きくなって、結構重くなりました。 Before... ![]() After. ![]() 入手したての頃と比べると、 ・とにかく圧倒的にローノイズ(入力端子から初段まで直結したので) ・定期的なプツプツ音がなくなった(初段Sgに入ったZDが悪さをしていた) ・低音の量感が増し、フラットな聴感になった(出力トランスで改善) ・解像度が向上した ・教会での録音を聴くと、残響感が大変素晴らしい 7kΩのトランスの4Ω端子を使って14kΩに見立てる手法は中高域はマッチングがとれますが、 低域に関してはインダクタンスが足りない「薄い低音」になります。 今回、コアの大きな出力トランスの導入は正解でした。 ようやく前オーナーのアンプから私のアンプになったという感があります。 ご縁があって引き継いだアンプです。大切に使いたいと思います。
Last updated
Jun 22, 2023 05:06:58 PM
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