カテゴリ:真空管
TelefunkenのRS288は、A2Laboratoryの「哺乳瓶みたいの」という記事と「RS288」という記事でRS288が紹介されていて、
メッシュというか本当に網の籠のような不思議な形状の電極に見惚れてしまい、ebayで買いました。 というか、気がついたら購入ボタンを押していました。 「考えるな、購入しろ」(ブルース・リー風に) そんなわけで届いたのがこちら。 ![]() 以前、私のブログで「RS289という真空管」というのを紹介しましたが、このRS289よりプレート損失が少し低目の五極菅です。 Foundation for German communication and related technologiesのRS287-RS291規格表を見るとわかるとおり、RS288はRS289とはピン接続が異なりますので差し替えは出来ません。 それにRS289のほうがrpが低くバイアスがずっと深いので、電気的にも同じようには使えないです。プレート損失の違いというより、全く異なる真空管という印象です。 印字があります。 ![]() Telefunken RS288 1本目はNr.7475/118、2本目はNr.101591/1239/IIのシリアル番号。 4.0V 反対側も印字があります。 ![]() RLM Eigentum BAL 716 一番下は、2本目28 39の表示、2本目01 40の表示。(週と年でしょうか....?) 実際に見てみると、本当に網の籠です。 ![]() プレートは箱形のメッシュ。不思議な形ですmr。 ![]() 荒いメッシュなので、各電極、そして中心のカソードがよく見えます。 ![]() etracerで三結特性を測定してゆきましょう。 ■1本目(Nr.7475/118、28 39) ヒーターは4V で1.6A流れました。 三結の特性は、 ![]() Ep=250VでEg1-7.8Vのとき、 Ip(+Ig2)=29.63mA Ig2=5.08mA rp=2471Ω gm=8478μS μ=21.0V/V 直線性はあまり良くないですが、許容範囲です。 規格表でG2はMax200Vとなっていますが、Ep以下であればある程度は大丈夫という私の中のルールがあります。(笑) 五結時の特性は、 ![]() Ep=250V、Eg2=150VでEg1=-3.1V Ip=29.47mA Ig2=4.63mA rp=139969Ω gm=9530μS μ=1333.9V/V 五結の低電圧領域は撫で肩で凹みもなく素直ですね。 ■2本目(Nr.101591/1239/II、01 40) ヒーターは4V で1.7A流れました。 三結時の特性は、 ![]() 250V -7.8V Ip(+Ig2)=29.78mA Ig2=5.05mA rp=2419Ω gm=8338μS μ=20.2V/V 五結時の特性は、 ![]() 250V 150V -3.0V Ip=29.16mA Ig2=4.46mA rp=109996Ω gm=9445μS μ=1038.9V/V すみません、五結特性を測るときにIsgも混ぜて測ってしまいました。 実際はもっと撫で肩になります。 今回の測定結果から、なかなか使いやすい真空管であることが言えます。 ・250Vで30mAほど流して使う感じ。 ・7kΩの出力トランスが整合しそう。 ・感度が良いのでドライブが楽そう。 ・直線性はあまり良くなさそう。(いいんです!個性です!) この記事を書いてしまうと「使える真空管」ということがわかってしまい、一気に市場から消えてしまうのではないかと懸念していますが大丈夫です。あと20年したら断捨離で2本は市場に出ます(笑)のでご安心を。
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