カテゴリ:真空管
手持ちにZaerixの4043C(CV1448)がありまして、
これは製造はSTCのようで、うっすらとSTCの印字がありました。 私はSTC崇拝者ではないので、特にどうでもいいです。 左側2本が4043Cで、右側の2本が先日紹介しましたVT25Aです。 ![]() プレートの大きさが似ていますね。 しかし見た目が似ているからって特性が同じではないです。 Frankさんの資料室の4043C規格表によると、 rpが3500Ωと書いてあります。 Ipカーブも見るからにrpが高そうですね...。 因みにフィラメントは3本の吊りバネで張ってます。 ![]() 実際の電気特性をetracerで見てゆきましょう。 VT25A同様に、フィラメント電圧を7.5V~7.0V~6.3Vと変化させて調べます。 1本目 まずは7.5Vを掛けて測定してみます。(この電圧が4043Cの規定電圧です) ![]() Ef=7.5V、If=1.24A(規格は1.2Aなので少し多め) Ep=380VでEg=-15.0Vのとき、 Ip=38.20mA rp=3768Ω gm=2277μS μ=8.6V/V 約3.8kΩあります。VT25Aより高いですね。 ではEfを7.0Vに下げてみましょう。(この電圧はVT25系の正規電圧だそうです) ![]() Ef=7.0V、If=1.20A Ep=380VでEg=-15.0Vのとき、 Ip=38.45mA rp=3782Ω gm=2288μS μ=8.6V/V あまり変わらないというか、少し電流は上がった? Efを6.3Vまで下げてみましょう。 ![]() Ef=6.3V、If=1.10A Ep=380VでEg=-15.0Vのとき、 Ip=38.64mA rp=3813Ω gm=2254μS μ=8.6V/V 2本目 まずは7.5Vを掛けて測定してみます。(この電圧が4043Cの規定電圧です) ![]() Ef=7.5V、If=1.25A(規格は1.2Aなので少し多め) Ep=380VでEg=-15.0Vのとき、 Ip=38.05mA rp=3850Ω gm=2277μS μ=8.7/V ではEfを7.0Vに下げてみましょう。(この電圧はVT25系の正規電圧だそうです) ![]() Ef=7.0V、If=1.19A Ep=380VでEg=-15.0Vのとき、 Ip=38.30mA rp=3858Ω gm=2254μS μ=8.7V/V ではEfを6.3Vまで下げてみましょう。 ![]() Ef=6.3V、If=1.10A Ep=380VでEg=-15.0Vのとき、 Ip=38.57mA rp=3862Ω gm=2238μS μ=8.6V/V なんか、殆ど変わらないんですが、何なのでしょう...。 ちょっとミステリアスな真空管です。 ミステーーーーリアス♪ 試しにVT25A用のアンプに挿してみました。 ![]() テスターは当ててませんが、たぶんバイアスは浅くなって振りしろが少ないので0.3W出るか出ないかではないでしょうか。 (静かに鳴らすぶんには綺麗な音がしています) ということで、 4043Cはプレート抵抗的に見るとVT25Aのジェネリック製品となることは無理のようです。 10はrp5kΩくらいあるので、この4043Cはrpは10でプレート損失はVT25A的な位置づけですね。 使い方は10に近い10~14kΩくらいの負荷でA2級動作させるのが良さそう。 そして、この球もVT25A同様にEF=6.3Vでも十分使えることが解りました。 フィラメントのエミッションにに余裕があるのかもしれません。 こちらもVT25A同様にEfを変えないコンパチ機であるなら7.0V、専用機なら7.0V以下~6.3V以上が寿命的にも無難かなと思います。
Last updated
Dec 29, 2022 06:49:28 PM
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