カテゴリ:真空管
先日ご紹介したVT25Aに続いてVT52も紹介致します。
このVT52についてもVT25A同様に航空機用の無線機に用いられ、7Vが正規電圧で6.3Vでも動作可能になっています。 このVT52も詳細なIp特性が公表されておらず、諸先輩方の回路図だけが頼りでした。 プレート損失も謎で、15W程度のようです。 無線で使うのとオーディオで使うのでは条件が違うので何とも言えませんが、よほど無茶しなければ大丈夫かと思います。 これは76年19週の製造でしょうか...。 UNITEDに関しては、この掲示板の内容のように、1934年創立で1958年にLing Electronicsの傘下に入ったと書かれています。 VT52の魅力は、このオレンジ色に灯る太いフィラメントです。 太いフィラメントの50とかが好きな人は、PX4とかPX25などは暗くて何となく心もとないのではないでしょうか。(笑) では、etracerで測定します。 プレートに270Vをかけ大体33mA流れる設定で、Ef=7.0Vと6.3Vを測定します。 【1本目】 Ef=7.0V、If=1.05A Ep=270VでEg=-47.2Vのとき、 Ip=32.93mA rp=1726Ω gm=2167μS μ=3.7V/V Ef=6.3V、If=0.95A Ep=270VでEg=-46.2Vのとき、 Ip=33.04mA rp=1798Ω gm=2122μS μ=3.8V/V 【2本目】 Ef=7.0V、If=1.06A Ep=270VでEg=-48.1Vのとき、 Ip=33.17mA rp=1694Ω gm=2212μS μ=3.6V/V この子は高圧側が少し上が持ち上がってますね。 Ef=6.3V、If=0.98A Ep=270VでEg=-47.11Vのとき、 Ip=32.94mA rp=1791Ω gm=2091μS μ=3.7V/V Efが下がって高圧のIpカーブの浮きが少し落ち着いたでしょうか。 (こういうのは真空管試験機では見えないところです) 今回のetracerでの測定でわかったことは、 7.0Vより低い6.3Vでも能力としては十分であるということです。 rpは1.7~1.8kΩなので5kΩ負荷といったところでしょうか。 以前紹介したSPEEDのS-82-Bと電気的特性は似ています。 昔はVT52を45スペシャルなんて呼んでいたような気がしますが、そう呼びたくなる気持ちもわかります。 VT52もVT25A同様、私なら6.3Vに近い電圧で使うと思います。 電気特性も然程悪くなるわけでもないですし。 いや、音の張りだとかそういうのは違うかもしれませんが、私はVT52の太いフィラメントの灯火(ともしび)を楽しみたいだけなので...。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Nov 18, 2023 07:01:41 PM
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