カテゴリ:真空管
今回はSylvaniaの210の性能を見たいと思います。
左がSylvaniaのVT25A、右がSylvaniaの210です。 ![]() ST型ではなく寸胴のドーム型です。 10なのでVT25Aよりは随分小さいプレートですが、 幅が少しありますからメチャクチャ小さいというわけでもありません。 プレートは金属板ではなくグラファイ(よくある211とかのタイプ)。 ![]() なんとなくタフな送信管という感じですね!(いいんです!「なんとなく」は重要です!!) etracerで測ってみましょう。 Ep400VでIp30mA流して、Efを7.5Vと7.0Vのときで測定します。 さてさて、この子の実力は如何に....。 (すみません、規格ギリギリでした。25mAくらいを基準で測定すべきですね...。) 【1本目】 Ef=7.5V、If=1.28A Ep=400Vで-24Vのとき、 ![]() Ip=30.52mA rp=4207Ω gm=1858μS μ=7.8V/V すみません、これだけスケールが合ってません。読まれる方の脳内で処理してください。 Ef=7.0V、If=1.23A Ep=400VでEg=-24Vのとき、 ![]() Ip=29.64mA rp=4428Ω gm=1789μS μ=7.9V/V 【2本目】 Ef=7.5V、If=1.29A Ep=400VでEg=25Vのとき、 ![]() Ip=30.40mA rp=4084Ω gm=1924μS μ=7.9V/V Ef=7.0V、If=1.24A Ep=400VでEg=-25Vのとき、 ![]() Ip=30.18mA rp=4164Ω gm=1896μS μ=7.9V/V 7.0Vでも実用可能な範囲です。 ただし7.0V以下は測定しませんでした。 普通Ipカーブは弓なりでグイグイ伸び上がる傾向ですが、7.0Vでは大電流領域が真っ直ぐになってます。 もうここで7V以下で測定しない理由はわかりましたよね? 大電流領域でフィラメントの熱電子放出が間に合わずIpカーブがダラダラ垂れるのが目に見えているからです。 あと、測定する電流は480Vなら25mAのほうが良かったかも。 今回の測定でわかったことは、 フィラメント電圧は7.0Vがギリギリ限界ということです。 逆に7.0V点火なら、無理な運用をしない限りは寿命の点でも良いかもしれません。 酸化膜と違って、トリタンはエミッションに余裕が無いです。 以前、ELROGのトリタン300Bの記事にも書きましたが、同じ電圧電流ならトリタンは電子放出としては結構目一杯で頑張っている状態です。 でもこの効率の悪さもまた魅力でもありますね!!(^▽^) この210のrpは4.2kΩ前後でした。どのメーカの10も4~4.5kΩと思われます。 VT25Aでは2.7kΩ程度でしたので、1.5倍くらいrpが高いです。 よって、フィラメント電圧のみならずプレート抵抗でも210とVT25Aは全く異なる真空管といえます。 ちょっと試しにVT25A専用アンプに挿してみました。 当然ながらプレート損失をオーバーしてますので、すぐにオフしました。(もちろん、秒で壊れることはないですが) ![]() VT25Aに合わせたアンプにそのまま挿せばプレート損失をオーバーしますし、真空管のrpとトランスの相性も悪いです。(インダクタンスが足りないような低音スカスカな音がします) きちんと14kΩのトランスと低目のプレート電流の専用アンプを作るしかなさそうです...。 汎用とするなら14kΩのトランスを積んで、フィラメント電圧を7.5Vと7.0V~6.3Vの間の2種類切り替えられるようにするか7.0Vにするかのどちらかです。 「汎用」というのは帯に短し襷に長しで難しいですね..。
Last updated
Jun 13, 2023 07:59:43 PM
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