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世界の片隅で小さな声で申し訳なさそうに「スティール!」と叫ぶ!

世界の片隅で小さな声で申し訳なさそうに「スティール!」と叫ぶ!

Dec 31, 2022
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カテゴリ:真空管
10...なんとなく腑抜けた名前ですが、本当に"10"です。
私は3X75Bみたいな、何か強そうな名前とか好きですが(笑)

ebayでRAYTHEONの10を購入しました。


4ピラーです。

プレートの形状も薄べったくないボックス形状。
10族の中でも少し変わり種かもしれません。

そして...
この子は10といいつつ、トリタンではなく酸化膜フィラメントなのです。


ぱっと見た感じは210とVT25Aの中間に位置する感じかなという印象なのですが...

電気的な事柄は、きっとetracerが解き明かしてくれるでしょう。



では今回もVT25A4043C同様に、7.5V、7.0V、6.3Vで見ていきましょう。
酸化膜なので、6.3Vでも十分なエミッションかも?と期待しています。


400Vで30mAを目安に測定します。
(すみません、規格ギリギリでした。25mAくらいを基準で測定すべきですね..。)
まずは7.5Vを掛けます。(この電圧が10や801Aなどの正規のフィラメント電圧です)


【1本目】
Ef=7.5V、If=1.23A

Ep=400VでEg=-28.1Vのとき、
Ip=29.93mA
rp=3257Ω
gm=2517μS
μ=8.2V/V
はぐわっ!!...高圧側がガタガタです。
泣きそうです。

気を取り直してEfを7.0Vまで下げてみましょう。(この電圧はVT25系の正規電圧だそうです)

Ef=7.0V、If=1.17A

Ep=400VでEg=-27.9Vのとき、
Ip=30.08mA
rp=3294Ω
gm=2497μS
μ=8.2V/V

規格外の6.3Vで測ってみます。(この電圧はVT25系が航空機の駐機中で使用する電圧だそうです)
Ef=6.3V、If=1.07A

Ep=400VでEg=-27.5Vのとき、
Ip=29.93mA
rp=3382Ω
gm=2420μS
μ=8.2V/V
この高圧側のガタガタは何でしょうか...ゲッターを暖めたら治るかな?(一寸無理か)


【2本目】
こちらも7.5Vから測定します。(この電圧が10や801Aなどの正規のフィラメント電圧です)

Ef=7.5V、If=1.21A

Ep=400VでEg=-32.5Vのとき、
Ip=30.14mA
rp=3255Ω
gm=2221μS
μ=7.2V/V
こちらは高圧側のIpカーブが腰浮きしてますが、ガタガタではありません。
大丈夫でした。

1本目と同じく7.0Vで測定してみます。(この電圧はVT25系の正規電圧だそうです)
Ef=7.0V、If=1.14A

Ep=400VでEg=-32.1Vのとき、
Ip=30.00mA
rp=3292Ω
gm=2229μS
μ=7.3V/V

2本目の6.3Vはどうでしょうか?(この電圧はVT25系が航空機の駐機中で使用する電圧だそうです)
Ef=6.3V 、If=1.07A

Ep=400VでEg=-31.0Vのとき、
Ip=30.13mA
rp=3491Ω
gm=2154μS
μ=7.5V/V
さすが酸化膜フィラメント、この電圧でもエミッションは十分です。
ただし、アンプを作るときは7V位はかけてあげたいところです。


今回の測定結果ですが、
1本目と2本目のバラツキはとても大きく、1本目の高圧側のIpカーブはガタガタです。
しかし、これは売り手が悪いとはいえません。たとえば300V位でちょっと電流を測れば正常値なのです。
カーブトレーサーで見るか真空管試験器で余程の長時間電流値を見るかしないと見えない現象化と思われます。
良くも悪くも珍しい古典管です。「腐っても鯛」ですし「アバタもエクボ」です。(^_^;

rpに関してはトリタンの210より若干低く、SYLVANIAのVT25Aより高い、rpだけで比較するならSTCの4043Cに近いですね。



ソフトンのVT25A用アンプに挿してみました。
プレート損失を若干オーバーするので、数曲でやめておきました。

十分な真空度もありますし聴感上の歪みは感じないので、特性のガタガタは大きく悪影響しないのかもしれません。(というか、めっちゃ音がいいです。真空管って楽しいよね。)

管内壁に蛍光も現れているので、酷く真空度が落ちているわけでもなさそうで、きちんと電子は飛んでいます。

あのガタガタは気にしないことにします。


真空管沼にズブズブと入りそう...






Last updated  Jun 13, 2023 07:59:22 PM
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