カテゴリ:真空管
RTCのR155という真空管です。
![]() ebayで見つけて、「謎球だ!!!」と、速攻で購入。 欧州の郵便・電話関連で使われていたようで、 R123 あるいはPTT203と互換性があるようです。 管面にはRTCとR155と印字してあります。 ![]() 因みに1本目のベースは6748、それ以外は4750と書いてあります。 1967年の48週と50週かな?? R155の規格は見つからないので、ほぼ同等管をということで、Frankさんの資料室のR123規格表を参照願います。 Ep200V で運用する設計のようですが、8Wのプレート損失と18V0.4Aのヒーター電力が釣り合っていません。 プレート損失8Wに対してヒーターが7.2Wで、やたらとヒーターが強力です。 6.3V換算ですと1.14Aです。(807が6.3V0.9Aなので、いかに大電力かわかりますよね) ![]() プレートの大きさに対して8Wしかないプレート損失も不可解です。 これって、もしかして...「業務用途で長時間使用でのエミ減も考慮して余裕を持たせている」...という解釈も出来ませんか?...ね? ということで、 今回の測定では18V~15V~12.6Vと大きく電圧を変えて三結特性を調べてみます。 etracerでの測定は、Ep200Vのとき約35mAになるようにします。 【1本目】 Ef=18.0V,If=0.42A ![]() Ep=200VでEg1=-4.1Vのとき、 Ip(+Ig2)=34.75mA Ig2=3.49mA rp=2055Ω gm=10420μS μ=21.4V/V Ef=15.0V,If=0.38A ![]() Ep=200VでEg1=-3.8Vのとき、 Ip(+Ig2)=35.05mA Ig2=3.52mA rp=2074Ω gm=10337μS μ=21.4V/V Ef=12.6V,If=0.34A ![]() Ep=200VでEg1=-3.5Vのとき、 Ip(+Ig2)=35.36mA Ig2=3.55mA rp=2107Ω gm=10476μS μ=22.1V/V 【2本目】 Ef=18.0V,If=0.42A ![]() Ep=200VでEg1=-4.0Vのとき、 Ip(+Ig2)=35.42mA Ig2=3.58mA rp=2107Ω gm=10348μS μ=21.8V/V Ef=15.0V,If=0.38A ![]() Ep=200VでEg1=-3.7Vのとき、 Ip(+Ig2)=34.60mA Ig2=3.49mA rp=2098Ω gm=10105μS μ=21.2V/V Ef=12.6V,If=0.34A ![]() Ep=200VでEg1=-3.4Vのとき、 Ip(+Ig2)=34.66mA Ig2=3.49mA rp=2174Ω gm=10172μS μ=22.1V/V 【3本目】 Ef=18.0V,If=0.41A ![]() Ep=200VでEg1=-3.7Vのとき、 Ip(+Ig2)=35.16mA Ig2=3.76mA rp=2200Ω gm=9868μS μ=21.7V/V Ef=15.0V,If=0.38A ![]() Ep=200VでEg1=-3.7Vのとき、 Ip(+Ig2)=34.60mA Ig2=3.49mA rp=2098Ω gm=10105μS μ=21.2V/V Ef=12.6V,If=0.34A ![]() Ep=200VでEg1=-3.4Vのとき、 Ip(+Ig2)=34.66mA Ig2=3.49mA rp=2174Ω gm=10172μS μ=22.1V/V 【4本目】 Ef=18.0V,If=0.41A ![]() Ep=200VでEg1=-3.7Vのとき、 Ip(+Ig2)=35.29mA Ig2=3.78mA rp=2198Ω gm=9785μS μ=21.5V/V Ef=15.0V,If=0.38A ![]() Ep=200VでEg1=-3.4Vのとき、 Ip(+Ig2)=35.40mA Ig2=3.78mA rp=2220Ω gm=10106μS μ=22.4V/V Ef=12.6V,If=0.33A ![]() Ep=200VでEg1=-3.1Vのとき、 Ip(+Ig2)=35.49mA Ig2=3.78mA rp=2271Ω gm=9694μS μ=22.0V/V 見ての通り、12.6Vでも全くタレる気配を見せません。 つまり、我々がアンプを作る場合は、12.6V(6.3V直列)でイケるということです。 6.3V換算でいくと6.3V0.57Aですね。このあたりでPp8Wの球としては釣り合いがとれるような気もします。 このR155はの測定結果から、 ・我々の用途であれば15~12.6Vでも十分使える(注1) ・感度が良い ・直線性は良いとは言えない ということがわかりました。 18Vの球なのに12.6Vでも余裕で動くという大変興味深い結果となりました。 注1: あまり低いヒーター電圧での長期使用ではエミッション不良になるので、15V程度が無難かもしれません。 やはり謎球は楽しいです。 謎球を解き明かせ! 謎力を解き放て! おいおい、謎力って何だよ... お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jan 8, 2023 09:19:26 AM
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