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世界の片隅で小さな声で申し訳なさそうに「スティール!」と叫ぶ!

世界の片隅で小さな声で申し訳なさそうに「スティール!」と叫ぶ!

Jan 2, 2023
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カテゴリ:真空管
RTCのR155という真空管です。


ebayで見つけて、「謎球だ!!!」と、速攻で購入。

欧州の郵便・電話関連で使われていたようで、
R123 あるいはPTT203と互換性があるようです。


管面にはRTCとR155と印字してあります。

因みに1本目のベースは6748、それ以外は4750と書いてあります。
1967年の48週と50週かな??



R155の規格は見つからないので、ほぼ同等管をということで、Frankさんの資料室のR123規格表を参照願います。
Ep200V で運用する設計のようですが、8Wのプレート損失と18V0.4Aのヒーター電力が釣り合っていません。
プレート損失8Wに対してヒーターが7.2Wで、やたらとヒーターが強力です。
6.3V換算ですと1.14Aです。(807が6.3V0.9Aなので、いかに大電力かわかりますよね)

プレートの大きさに対して8Wしかないプレート損失も不可解です。


これって、もしかして...「業務用途で長時間使用でのエミ減も考慮して余裕を持たせている」...という解釈も出来ませんか?...ね?


ということで、
今回の測定では18V~15V~12.6Vと大きく電圧を変えて三結特性を調べてみます。
etracerでの測定は、Ep200Vのとき約35mAになるようにします。

【1本目】
Ef=18.0V,If=0.42A

Ep=200VでEg1=-4.1Vのとき、
Ip(+Ig2)=34.75mA
Ig2=3.49mA
rp=2055Ω
gm=10420μS
μ=21.4V/V

Ef=15.0V,If=0.38A

Ep=200VでEg1=-3.8Vのとき、
Ip(+Ig2)=35.05mA
Ig2=3.52mA
rp=2074Ω
gm=10337μS
μ=21.4V/V

Ef=12.6V,If=0.34A

Ep=200VでEg1=-3.5Vのとき、
Ip(+Ig2)=35.36mA
Ig2=3.55mA
rp=2107Ω
gm=10476μS
μ=22.1V/V

【2本目】
Ef=18.0V,If=0.42A

Ep=200VでEg1=-4.0Vのとき、
Ip(+Ig2)=35.42mA
Ig2=3.58mA
rp=2107Ω
gm=10348μS
μ=21.8V/V

Ef=15.0V,If=0.38A

Ep=200VでEg1=-3.7Vのとき、
Ip(+Ig2)=34.60mA
Ig2=3.49mA
rp=2098Ω
gm=10105μS
μ=21.2V/V

Ef=12.6V,If=0.34A

Ep=200VでEg1=-3.4Vのとき、
Ip(+Ig2)=34.66mA
Ig2=3.49mA
rp=2174Ω
gm=10172μS
μ=22.1V/V

【3本目】
Ef=18.0V,If=0.41A

Ep=200VでEg1=-3.7Vのとき、
Ip(+Ig2)=35.16mA
Ig2=3.76mA
rp=2200Ω
gm=9868μS
μ=21.7V/V

Ef=15.0V,If=0.38A

Ep=200VでEg1=-3.7Vのとき、
Ip(+Ig2)=34.60mA
Ig2=3.49mA
rp=2098Ω
gm=10105μS
μ=21.2V/V

Ef=12.6V,If=0.34A

Ep=200VでEg1=-3.4Vのとき、
Ip(+Ig2)=34.66mA
Ig2=3.49mA
rp=2174Ω
gm=10172μS
μ=22.1V/V

【4本目】
Ef=18.0V,If=0.41A

Ep=200VでEg1=-3.7Vのとき、
Ip(+Ig2)=35.29mA
Ig2=3.78mA
rp=2198Ω
gm=9785μS
μ=21.5V/V

Ef=15.0V,If=0.38A

Ep=200VでEg1=-3.4Vのとき、
Ip(+Ig2)=35.40mA
Ig2=3.78mA
rp=2220Ω
gm=10106μS
μ=22.4V/V

Ef=12.6V,If=0.33A

Ep=200VでEg1=-3.1Vのとき、
Ip(+Ig2)=35.49mA
Ig2=3.78mA
rp=2271Ω
gm=9694μS
μ=22.0V/V


見ての通り、12.6Vでも全くタレる気配を見せません。
つまり、我々がアンプを作る場合は、12.6V(6.3V直列)でイケるということです。
6.3V換算でいくと6.3V0.57Aですね。このあたりでPp8Wの球としては釣り合いがとれるような気もします。


このR155はの測定結果から、
・我々の用途であれば15~12.6Vでも十分使える(注1)
・感度が良い
・直線性は良いとは言えない
ということがわかりました。
18Vの球なのに12.6Vでも余裕で動くという大変興味深い結果となりました。
注1:
あまり低いヒーター電圧での長期使用ではエミッション不良になるので、15V程度が無難かもしれません。

やはり謎球は楽しいです。

謎球を解き明かせ!
謎力を解き放て!

おいおい、謎力って何だよ...






Last updated  Jan 8, 2023 09:19:26 AM
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イィヴィ平野@ Re[1]:7403という真空管(11/24) よる@fieldofhagiさん、 Bendixの設計であ…
よる@fieldofhagi@ Re:7403という真空管(11/24) 特徴的なサポート金具なのでBendix製でし…
D404F203@ Re:VT52という真空管、みたび...NATIONAL ELECTRONICSのVT52(11/19) UNITEDは商社で真空管は製造していません…
イィヴィ平野@ Re[1]:Caという真空管(10/25) D404F203さん 情報ありがとうございます。…
D404F203@ Re:Caという真空管(10/25) 1938年にシーメンスが発行したCaの…
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Friends of Valves@ Re:DA60という真空管(08/06) ありがとうございます、大変参考になりま…
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D404F03@ Re[2]:RAYTHEONのVT-25という真空管(10/12) イィヴィ平野さんへ VT-25Aも7.0…

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