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世界の片隅で小さな声で申し訳なさそうに「スティール!」と叫ぶ!

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Jan 6, 2023
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カテゴリ:真空管
RV218という聞き慣れない名前の真空管ですが、

RV258の少し前(1928年)に開発されたもので、最大プレート電圧もかなり低く440Vまでです。
rp5kΩの寝たIpカーブに440Vの制限ではA1級シングルにおいて1W弱しか出力がとれません。


管面の印字は薄く残っています。

1本目:
Telefunken
D.R.P
Type RV218 EW
11419/129
1.1A

2本目:
Telefunken
D.R.P
Type RV218 III
13230/010
1.1A


規格に関してはFrankさんの資料室のRV218規格表を参照ください。

古典管でまず困るのがヒーター電圧です。
規格表では7.5Vですが、RadiomuseumのRV218のページでは7.2Vとなっています。

VinylSavor「Tube of the Month : The RV218 / RV258」では、7.2Vと7.5Vがあるように書かれています。

とりあえずフィラメント電圧は7.2Vと7.0Vを測定します。

トリタンなので明るいです。


フィラメントを点灯すると、グリッドがらせん状に巻いてあるのがよくわかります。

フィラメントは細いV字でしょうかね...よく見えません。


今回etracerではEp420VのIp25mAになるところで測定します。
なぜ電流が低目かというと、14kΩのロードラインをひいたとき、グリッド電圧0Vからプラス領域にいかずに大出力を得たいが為です。
アイドリングを40mAくらい流してしまうと、グリッド電圧0Vは目と鼻の先になってしまい出力が取れません。
A2動作が可能ならもう少し電流を流したいですが、A2動作の保証がありません。
そして25mA以上電流を抑えると今度は底付きします。
このあたりがこの子の扱いづらいところになりそう....。


【1本目】
Ef=7.2V, If=1.10A ←少なくとも手持ちのRV218は7.2Vが正解かも。

Ep=420VでEg=-31.1Vのとき
Ip=25.00mA
rp=5037Ω
gm=1463μS
μ=7.4V/V

Ef=7.0V, If=1.06A

Ep=420VでEg=-30.9Vのとき
Ip=25.00mA
rp=5080Ω
gm=1451μS
μ=7.4V/V

【2本目】
Ef=7.2V, If=1.08A

Ep=420VでEg=-28.2Vのとき
Ip=25.02mA
rp=4985Ω
gm=1585μS
μ=7.9V/V

Ef=7.0V, If=1.06A

Ep=420VでEg=-27.9Vのとき
Ip=24.99mA
rp=5038Ω
gm=1573μS
μ=7.9V/V

フィラメント電圧7.2Vと7.0Vは然程変わらないような気がします。
低くても7.0Vくらいまでならエミッションが十分そうです。


測定結果からは「10族に似た真空管」ともいえますが、
rpの割にバイアスは深くgmも低く、10族よりは若干感度が悪い印象です。
そして、24Wのプレート損失を持ちながらA1級動作だと1Wも出ないのが悩ましいところです。
プラス領域が使えれば、10族と同じようにアンプが組めますが、規格表にはプラス領域を使用することが書かれていませんので、たぶんそれは無しかな。
かといって、マイナス領域に限定しつつ出力電力に拘ってロードラインを立てすぎると無帰還では歪みが増えるだけですし。

譲っていただいたオーナーに問い合わせましたが、やはりシングルでは1W程度とのことでした。
この真空管はシングルでA級の小出力モニタとして、大音量が必要なときはB級PPで使用することを前提にデザインされているのかもしれません。(そうすると全てのつじつまが合います)


白プレート(薄灰色のプレート)の後期型ですが、あまりプレート損失24Wを過信すると赤熱しそうです。
やはり、25mA~35mAで、ごくたまにプラスに入るかなという程度が無難そうです。(勿論トランス結合です)
そもそも、ウチの環境で1Wもあれば十分過ぎるので、このあたりが良さそう...。
高電圧を扱うRV258より手軽に組めるのは最大の強みかなと思います。
(個人的には多少規格オーバーの460~480Vくらいまで大丈夫ではないかと思っています)

コレクションで持っておくだけで終わらせるのは勿体ないので、「あくまで小出力アンプ」と割り切って取り組もうかなと思っています。





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Last updated  Mar 16, 2023 07:34:25 PM
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