カテゴリ:真空管
オークションで、気になる整流管を落札しました。
写真左が今回購入したELEVAM、右側が手持ちのBESTOです。 ![]() ELEVAMの80なのですが、ちょっと変わってます。 まず、プレートが長いんです。 ![]() 標準的な80の1.3倍はあるでしょうか。 そしてプレートの幅も広いんです。 ![]() 幅も1.3倍はありそうですね。 そして極めつけは、フィラメントがΛ型ではなくM型であることです。 ![]() これは格好良すぎる!!!! (いつもの42シングルアンプに挿しました) 効率を求めた結果の形状なのでしょうか... そして普通の80より効率が良いのでしょうか.... etracerで測定しましょう。謎が解けるはずです。 正確を期するため、BESTO以外にもFUTABA(ほぼ新品)を用意しました。 【BESTO】そんなにボロくないけど、多少使用感あり。 Ef=5.0V, If=1.57A ![]() 53Vのとき、 Ip1=183.454mA rp1=256Ω Ip2=129.43mA rp2=244Ω 【FUTABA】(ほぼ新品) Ef=5.0V, If=2.07A ![]() 53Vのとき、 Ip1=149.48mA rp1=237Ω Ip2=137.25mA rp2=239Ω 【ELEVAM】(ラージプレート&M型フィラメント) Ef=5.0V, If=1.97A ![]() 53Vのとき、 Ip1=197.34mA rp1=178Ω Ip2=189.72mA rp2=179Ω これは別格です....というより、普通の80とは明らかに別物です。(別の規格の整流管と云っても良いくらいです) しかも2つのユニットの特性が綺麗に揃ってますね。 BESTOのrpが約250Ω。 新品同様のFUTABAのrpが約240Ω。 ところが、ELEVAMは何と約180Ωです。(1.5倍の違いは大きいです) つまり、このrpの低さが何に影響するかと云うと... B電圧をギリギリに設定してある増幅回路だと、やや際どい動作になる可能性があります。 そして、メリットも考えられます。 電流が流れればプレート~フィラメント間の抵抗が低いELEVAMのほうが発熱が少ないと云えます。これは寿命にも影響しそうな予感です。もちろんそう簡単にはいかないとは思いますが。 そして、元々効率が良いので効率が悪くなるエミ減状態まで永く使えそうな...そんな気がしませんか? では、効率が良いので経済的なのか?というと、「15000円の整流管と2000円の整流管の差を埋めるほど経済的ではない」という結論です。 ハッキリ言ってしまえばコレクターズアイテムですが、いいじゃなですか。 所有する喜びって、無駄ではありますが、罪ではないと思います。 音質は...わかりません。 そもそも交流回路として見ると、球があって出力トランスがあってB電源側の球に一番近いコンデンサとカソードのパスコンしか見えません。あとは入力だけですよね。 整流管に辿り着くにはチョークコイルと更に1発目のコンデンサが居ます。 音質が変わるとすれば、この内部抵抗が低くなったことによるB電圧の変化、そしてRとCの関係が変わるのでノイズ波形も変わる...そのあたりが音質変化の要因になりうるかなと。 「整流管そのものに音質は無い。整流管を含めた電源系の各部品の相互作用によるものである。」と、私の心の中にいる〇造の館が申しております。(笑)
Last updated
Jan 10, 2023 07:36:43 AM
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