カテゴリ:真空管
小柄ながらとても綺麗な真空管を入手しました。
テレフンケンのRES964です...が、測定したとたん私は泣きそうになりました。 ![]() ebayにいる販売者の「tested, strong」はアテにならないです。(苦笑) etracerで測定したところエミ減で使い物にならない「飾り物」レベルの特性でした。 でもメッシュプレートが美しいので許しちゃいます。 ![]() フィラメントが透けて見えるというだけなのですが。(笑) トップの印字は綺麗に残っています。 ![]() 規格はFrankさんの資料室のRES964規格を参照ください。 規格表には詳細な情報が無いですね...。 三結にしてEp250Vで程々の27mA流れるところを測定します。 【1本目】 Ef=4.0V, If=1.0A ![]() Ep=250VでEg=12.7Vのときに、 Ip=27.03mA rp=3998Ω gm=1936μS μ=7.7V/V 【2本目】 Ef=4.0V, If=1.0A ![]() Ep=250VでEg=11.8Vのときに、 Ip=27.12mA rp=5175Ω gm=1501μS μ=7.8V/V うわ、酷く疲れた様子ですね。特に2本目は低圧大電流領域が明らかにタレてきています。 gmは半分以下です。 セラーの言うところのStrongとは買った人のガッカリ度がStrongということでしょうか? まぁ、動くには動きますが、この状態なら「見て楽しむ物」と割り切ったほうが良いかもしれません。 この状態での動作は歪みも多く、オーディオ用途としてどうなの?というレベルです。 「私のような素人が中古真空管を買うとこういうこともある」と割り切るしかないですね。 徐々に6V(150%)掛けて30秒ほどフィラメントを軽~く焼いてみましたが、変化は殆どありませんでした。 ゲッターに火を当ててエミッションを回復する方法もあるようですが、失敗する確率も高そうなので実施しません。 最期の手段的な動画がありまして、Junichiさんの「エミ減の球の電流を流す方法」というもの。 これは寿命を犠牲にしてエミッションを高める危険な方法ですが....。 ちょっと試しに測定してみましょう。 4.4Vと4.8Vで測定してみます。 【1本目】 Ef=4.4V, If=1.05A ![]() Ep=250VでEg=13.9Vのときに、 Ip=27.09mA rp=3445Ω gm=2213μS μ=7.6V/V Ef=4.8V, If=1.11A ![]() Ep=250VでEg=14.4Vのときに、 Ip=27.05mA rp=3174Ω gm=2393μS μ=7.6V/V 【2本目】 Ef=4.4V, If=1.05A ![]() Ep=250VでEg=15.0Vのときに、 Ip=26.85mA rp=3815Ω gm=1940μS μ=7.4V/V Ef=4.8V, If=1.11A ![]() Ep=250VでEg=16.5Vのときに、 Ip=26.79mA rp=3335Ω gm=2209μS μ=7.4V/V 4.8V掛けて、ようやく実用ギリギリのところまでになりました。 当然ながら著しく寿命が縮まります。 使えない球を「見て楽しむだけで澄ませる」か、「短命でも使い切る」か、悩むところですね。 私としてはこの子を使って最期を看取ってあげたい気もします。
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