カテゴリ:真空管
イタリアPHILIPSのZENITH TP4100という真空管を紹介します。
ZENITHはMonzaに本拠地を置く真空管メーカで、ある時期からPHILIPSの傘下に入っているとのこと。(もしかしたら会社創設初期の頃にアメリカのZENITHと何かしらの提携をしたのかもしれませんが、詳細は不明です。) そんな経緯を経たメーカーと真空管。謎球魂がくすぐられますね。 管面にはZENITH TP4100とプリントされているのが見えます。 管壁に「PHILIPS ITALIA」のデカールが貼られています。 見るからにイタリアっぽい感じが良いですね。 フィラメントはオーソドックスな2点吊り。 この球は譲っていただいたオーナーによるとオランダ・PHILIPSのE443N類似とのことです。 E443Nの規格は、Frankさんの資料室のE443N規格表がありますが、「あくまで類似であって互換ではない」ものです。 Esg=200V規定は五結時のことだと思います。 五結の場合は増幅でEpがEsgより低いときがあり、ISgが多く流れSg損失的に厳しい方向になります。 経験的に三結でEp>Esgであれば僅かなオーバーくらいでしたら許容してくれそうです。ネットを探すと同様の意見の方がおられます。(勿論、極端なオーバーはマズいですが..) etracerでIsgを見て、もしIsgが相当流れるタイプの球でしたらEsgの規格は守った方が良いです。 五結では当然ながら規格通りの200V以下を守った方が良いです。 では、三結特性をetracerで測定します。 Eg2電圧は40Vほどオーバーめになりますが240VでIp+Ig2が30mA流れるところで。(Eg2はEpを超えないので損失自体は大丈夫のはずです) Efは4.0Vと3.8Vで測ります。 プレート損失のラインは12Wより少なめの10Wに設定しています。スクリーングリッド損失含め十分な余裕のはずです。 【1本目】 Ef=4.0V, If=1.01A Ep=240V Eg1=-35.6V Ip+Ig2=30.15mA Ig2=3.77mA rp=1619Ω gm=2794μS μ=4.5V/V Ef=3.8V, If=0.94A Ep=240V Eg1=-35.4V Ip+Ig2=30.21mA Ig2=3.73mA rp=1660Ω gm=2734μS μ=4.5V/V 【2本目】 Ef=4.0V, If=1.12A Ep=240V Eg1=-34.9V Ip+Ig2=29.90mA Ig2=4.09mA rp=1590Ω gm=2942μS μ=4.7V/V Ef=3.8V, If=1.05A Ep=240V Eg1=-34.7V Ip+Ig2=30.39mA Ig2=4.17mA rp=1601Ω gm=2923μS μ=4.7V/V 240V三結なら0.9W近く出ます。200Vですと0.7Wくらいでしょうか。 EP>Esgであればアイドリング時のIsgは6mAは超えないようです。 2本目は製造上のバラツキだと思われますが、Ifが1.12Aも流れています。それゆえエミッションも高く、高圧側のIpカーブが浮き上がってますね。3.8Vにすると少し落ち着きます。 三結のrpは低く、先日紹介したRES964とは、同じ直熱五極菅でも全く性格が違うことがわかります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Dec 7, 2023 09:25:48 PM
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