カテゴリ:真空管
ああ、また手を出してしまった。
VT52。 VT52という真空管で完結していたVT52の話。 また買ってしまいました。 ひとつはNATIONAL UNIONのVT52。 そして、もうひとつはRAYTHEONのVT52の4ピラーです。 4ピラー集めではないですが、なぜか買ってしまいます。 RAYTHEONの10や、RAYTHEONの50など...。 実は4ピラーの42など、他にももありますので、後々紹介します。(そんなに沢山持ってませんが) 今回は総集編ということで、以前紹介したUNITED ELECTRONのVT52も含めて紹介します。 写真で比較してみましょう。 左2本が以前紹介したUNITED ELECTRONのVT52、中の2本がNATIONAL UNIONのVT52、左の2本がRAYTHEONのVT52です。 ![]() UNITED ELECTRONが最もプレートが長いですね。 ちなみに、この中で設計・製造が最も古いのがRAYTHEONです。 上側から見ると、3点吊りフィラメントのNATIONAL UNIONが当然ながらフィラメントが細いです。(折り返し分だけ長く細くなっているのでしょう) ![]() 横から見ると、最もプレートが薄いのはNATIONAL UNIONです。 ![]() そしてRAYTHEONが抜きん出て分厚いです。 全体的に見て、NATIONAL UNIONのプレートが一番小さく見えますね。 NATIONAL UNIONを下から覗いてみました。 ![]() フィラメントの様子がよく見えます。 RAYTHEONを下から覗いてみました。 ![]() 太い4本の支柱に支えられ、しっかりした構造です。 UNITED ELECTRONを下から覗いてみました。 ![]() 上下マイカでしっかり支えています。 NATIONAL UNIONのフィラメント。 ![]() RAYTHEONのフィラメント ![]() UNITED ELECTRONのフィラメント。 ![]() では、電気特性を比較します。 プレートに270Vをかけ大体33mA流れる設定で、Ef=7.0Vと6.3Vを測定します。 NATIONAL UNION 【1本目】 Ef=7.0V、If=1.11A ![]() Ep=270VでEg=-51.6Vのとき、 Ip=33.10mA rp=1546Ω gm=2309μS μ=3.6V/V Ef=6.3V、If=1.02A ![]() Ep=270VでEg=-50.4Vのとき、 Ip=33.08mA rp=1657Ω gm=2171μS μ=3.6V/V 【2本目】 Ef=7.0V、If=1.11A ![]() Ep=270VでEg=-51.0Vのとき、 Ip=33.03mA rp=1562Ω gm=2293μS μ=3.6V/V Ef=6.3V、If=1.03A ![]() Ep=270VでEg=-50.3Vのとき、 Ip=33.07mA rp=1640Ω gm=2210μS μ=3.6V/V RAYTHEON 【1本目】 Ef=7.0V、If=1.20A ![]() Ep=270VでEg=-50.5Vのとき、 Ip=33.00mA rp=1753Ω gm=2019μS μ=3.5V/V Ef=6.3V、If=1.10A ![]() Ep=270VでEg=-49.6Vのとき、 Ip=33.06mA rp=1798Ω gm=1958μS μ=3.5V/V 【2本目】 Ef=7.0V、If=1.25A ![]() Ep=270VでEg=-52.3Vのとき、 Ip=32.76mA rp=1830Ω gm=1850μS μ=3.4V/V Ef=6.3V、If=1.16A ![]() Ep=270VでEg=-50.4Vのとき、 Ip=32.94mA rp=1969Ω gm=1758μS μ=3.5V/V 2本目はフィラメント電流は1本目より高いわりにエミッションが低いので、もしかしたら製造上のバラツキなのかもしれません。 以前紹介したUNITED ELECTRONのVT52の特性も比較用にもういちど紹介します。 【1本目】 Ef=7.0V、If=1.05A Ep=270VでEg=-47.2Vのとき、 ![]() Ip=32.93mA rp=1726Ω gm=2167μS μ=3.7V/V Ef=6.3V、If=0.95A Ep=270VでEg=-46.2Vのとき、 ![]() Ip=33.04mA rp=1798Ω gm=2122μS μ=3.8V/V 【2本目】 Ef=7.0V、If=1.06A Ep=270VでEg=-48.1Vのとき、 ![]() Ip=33.17mA rp=1694Ω gm=2212μS μ=3.6V/V Ef=6.3V、If=0.98A Ep=270VでEg=-47.11Vのとき、 ![]() Ip=32.94mA rp=1791Ω gm=2091μS μ=3.7V/V 270Vの33mAという条件で比較した結果、微妙に特性が異なるように感じました。 gmは、NATIONAL UNION > UNITED ELECTRON > RAYTHEON の順番になりました。 rpはその逆です。 RAYTHEON製が設計・製造が最も古いからでしょうか、エミッションを十分に得るためでしょうか、フィラメント電流が他の物より若干ですが高目ですね。そして、2本のバラツキ(フィラメント電流や)が多く感じました。 NATIONALは効率重視でしょうか、フィラメントを3点吊りすることでgmを高く稼いでいるように思えました。 もちろん、古い真空管なので何とも言えませんが、それでも傾向みたいなものはわかる気がします。 UNITED ELECTRONは、両者の中間あたりに位置します。 見た目(構造)が異なるということは、電気特性も若干異なってくる感じですね。 しかし、VT52であることには変わりありません。(Ipカーブも大体同じですし) 全体的に見てVT52は綺麗なIPカーブを描いていると思います。 そして、確かに言えることは、「どれも魅力的な真空管である」ということです。 結論: みんなちがって、みんないい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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