カテゴリ:真空管
今回は「845という真空管」の続編です。
ひょんなことから中古のPSVANEのAcme A845を超格安で入手しました。 PSVANEのAcme(頂点あるいは極致という意味らしい)シリーズはPSAVANEが持てる技術を注ぎ込んだフラッグシップだそうです。 ![]() PSVANEのほうがやや大柄ですね。 PSVANE(貴族の声)は曙光電子のエンジニアが新たに立ち上げたブランドなので、曙光電子の暖簾分け的存在なのでしょうか...。 そういえば、日本で販売されている中国の真空管は4社くらいでしょうか。 ・Shuguang(曙光電子) ・PSVANE(貴族之声) ・LINLAI(林籟) ・Full Music (天津全真電子管技術) どのメーカの真空管も最近は実力派な感じですが、富裕層向けになってきている感じもします。 さて、このA845という真空管をじっくり観察しましょう。 プレートは六角形のセラミックとマイカ板で支えられています。 ![]() なかなかしっかりした造りです。 ![]() 中国の真空管全般に言えるのですが、JJと違ってガラスの透明度が若干ながら良くない気がします。(凝視しないと気になりませんが) 謎のプレート構造。 金属を繊細に成形したのち、カーボン系の塗膜をつけています。 ![]() 内側を見ると....これは面積を稼ぐためでしょうか。 ![]() フィラメントの能力が決まっている場合は電子を受けるプレート側での工夫が必要になるので、PSVANEとしての結論がこの形状なのかなという印象でした。(メーカーの真意はわかりませんが) etracerで特性を測定します。 今回は600V100mAになるよう合わせて測定しました。 【PSVANE(貴族之声)A8451本目】 10.0V 3.08A ![]() Ep=600VでEg=-67.1Vのとき、 Ip=99.98mA rp=1557Ω gm=3314μS μ=5.1V/V 【PSVANE(貴族之声)A8452本目】 10.0V 3.17A ![]() Ep=600VでEg=-67.2Vのとき、 Ip=100.01mA rp=1556Ω gm=3290μS μ=5.1V/V 参考までに同条件でShuguang(曙光電子)の845Cも測定してみます。 【Shuguang(曙光電子)845C1本目】 10.0V 3.00A ![]() Ep=600VでEg=-67.9Vのとき、 Ip=100.08mA rp=1613Ω gm=3135μS μ=5.1V/V 【Shuguang(曙光電子)845C2本目】 10.0V 3.20A ![]() Ep=600VでEg=-69.6Vのとき、 Ip=100.40mA rp=1553Ω gm=3252μS μ=5.0V/V PSVANEもShuguangも良好です。 当然ながらどちらも845で、ほぼ規格どおり。 どちらかといえばPSVANEのほうが数Vだけバイアスが浅く若干感度がいいかな程度。 TU-8200R(魔改造品)へ接続。 ![]() Ep280V40mA程度の極軽い条件で聴いた限りどちらも変わりません。どちらも良い音です。 因みにTU-8200R(魔改造品)は、2番7番ピンのプリントパターンをカットし他から電源を取り入れています。(初段のEhが上がってしまうのでR70は1Ωと2.2Ωのパラ接続に変更) 8番7番ピンをショート。 ![]() 半田付けが汚いけど気にしないです。 照明を落とすとトリタンの灯が煌々と。 ![]() 球の下側はタップリとゲッターを飛ばしてあるので足元側に光はあまり出ません。 280Vのプレート電圧でも部屋で効くには十分です。1W出るか出ないかくらいですが。 なかなか良い真空管です。
Last updated
Jun 12, 2023 08:08:13 PM
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