カテゴリ:真空管
NT62Aという見た目がPX25風な真空管を買いました。
![]() これも前回のVT46同様に五極菅です。 NT62Aはムギスのひとりごと「正確な規格」でも紹介されています。 規格は、The Valve MuseumのCV1238規格表 PM24DやF443Nも同等管らしいのですが、不明です。 あまり詳細な事が書かれていません。 規格では最大プレート電圧500V、最大スクリーングリッド電圧200Vの制限があります。 諸説ありますが、私は三結の場合はスクリーングリッド電圧がプレート電圧を確実に下回っていれば多少の電圧オーバーは問題ない気がしています。 しかし、スクリーングリッド損失が問題になるので電圧オーバーしすぎは無理があるとは思いますが..。 印字を見てみましょう。 ![]() ?↑Z(?は印時消え) NT62A A.P 3794A ![]() MADE&PATENTED IN ENGLAND NT62A 11 26(もう1本は、11 27と印字) 電極の構造 ![]() しっかりしたボックスプレート。 ![]() フィラメントを点灯。 ![]() さて、このNT62Aはどんな特性なのでしょう?? 三結でEp=280VでIpが75mA流れるところを測定します。 【1本目】 Ef=4.0V, If=2.12A ![]() Ep=280VでEg1=61.5Vのとき、 Ip+Ig2=74.75mA Ig2=14.68mA rp=802Ω gm=3716μS μ=3.0V/V 【2本目】 Ef=4.0V, If=2.03A ![]() Ep=280VでEg1=61.5Vのとき、 Ip+Ig2=74.77mA Ig2=14.74mA rp=803Ω gm=3770μS μ=3.0V/V 特性はどちらも綺麗に揃っています。 rpが800Ωくらいなので、最適負荷は2.7~3.5kΩくらいでしょう。 rpだけで言えばPX4より低いです。 直線性は今ひとつの感があります。 G2電圧180V固定の五結特性も見ましょう。 【1本目】 ![]() 【2本目】 ![]() 古い設計の五極菅ですが、ダイナトロンっぽい凹みはみあたりません。 撫で肩の緩いながらも綺麗なIpカーブを描いています。 五結なら5Wは出ます。 Ig2は結構流れる印象です。 今回の測定から以下のことがわかりました。 ・普通の三結なら240~280V程度が良さそう ・三結での内部抵抗は結構低い ・三結ではバイアスが結構深い ・直線性はそれほど良くはない(悪くもないけど) ・五結もそう悪くはなさそう 三結ですとG2の抵抗は少し大きめの470Ω~1kΩくらいにしてあげたほうが無難かもしれません。 総じて、「三結ではPX4のように振る舞う球」と考えて良いかもしれません。 ただ、三結ですと思ったようにパワーは出ない感じで、パワーを求めると直線性の悪いところまで使ってしまいます。 4V2Aのフィラメントを食う割に、美味しいところが少ない印象です。 ただ、真空管は直線性だけが全てではなく、直線性の良くない球も多くのファンから好まれていたりもします。 NT62Aはなかなか魅力のある真空管だという印象です。 プアマンズPX25を求めてRD27ASから始まり、VT46(PT25H)も買って、そして今回のNT62Aに至りましたが、 「やっぱり普通にPX25だけを買った方が安くあがったのではないか。」 という結論に至ったことは内緒です。 しかし時間は巻き戻すことは出来ません。 旅は続きます。(続けるのかよ)
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Jun 2, 2023 07:41:56 PM
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