カテゴリ:真空管
205D/n、205D-Lという真空管を紹介します。
![]() 私の手持ちは、Wester Electricの205Dではなく、 Full MUSICの205D/nや、PSVANE 205D-LなどのUXベースのもので、 ソフトン製のアンプに挿しています。 過去の記事は「205Dシングルアンプを購入」とPSVANEの205D-Lを挿してみるを参照ください。 規格ではプレート損失は音声運用では最大14Wになっていますが、PSVANE 205D-Lの電極を見ると14Wもあるのか疑問です。 (せいぜい10~12Wかと) Full MUSICの205D/n 板レートですが、両隅に放熱板という構造で、プレート損失は高そうです。 ![]() そしてなぜか、フィラメントが見える方向にゲッターを飛ばしています。 なぜそういうセンスのないことをするのかわかりません。 フィラメント点灯時。 ![]() PSVANE 205D-Lは、WEのものを模倣した造りで、見た目はとても良いです。数十万円の超古典管をおっかなびっくり使うより安心ですね。(笑) ![]() フィラメント点灯時。 ![]() 205Dの規格は、真空管(Electron tube) 規格表データベースの「205D規格」が参考になります。 205Dは耐圧400Vとなっていますが、 実はPSVANE 205D-Lは390V程度の常用運用では放電する個体が多いといわれています。 WEそっくりの耕造は素晴らしいですが、どうも工場のエージングもそこそこで耐圧試験などもごく短時間の緩いものではないかと推測されます。 手持ちのPSVANE205D-Lも1本放電で商社から交換品を送って貰いました。 それでも最初の使い始めは、たまに放電気味だったりして苦労しました。 今は通電時間も十分で中の真空度も安定したのか放電は全く起きません。 etracerで特性で測定しましょう。 手持ちのアンプ同様にEp=386Vを掛けたときIp=30mAになるところに合わせます。 Efは規格通りの4.5Vと手持ちのアンプ同様の4.0Vで測定しました。 【Full Music 205D/N 1本目】 Ef=4.5V, If=1.12A, Ep=386V ![]() Eg1=25.3V Ip=29.93mA rp=4583Ω gm=1515μS μ=7.0V/V Ef=4.0V, If=1.04A, Ep=386V ![]() Eg1=24.3V Ip=30.03mA rp=4695Ω gm=1486μS μ=7.0V/V 【Full Music 205D/N 2本目】 Ef=4.5V, If=1.12A, Ep=386V ![]() Eg1=24.1V Ip=30.18mA rp=4437Ω gm=1678μS μ=7.4V/V Ef=4.0V, If=1.03A ![]() Eg1=23.5 Ip=29.97mA rp=4581Ω gm=1643μS μ=7.5V/V 【PSVANE 205D-L 1本目】 Ef=4.5V, If=1.60A, Ep=386V ![]() Eg1=28.0V Ip=29.84mA rp=4209Ω gm=1657μS μ=7.0V/V Ef=4.0V, If=1.44A, Ep=386V ![]() Eg1=27.8V Ip=29.97mA rp=4227Ω gm=1630μS μ=6.9V/V 【PSVANE 205D-L 2本目】 Ef=4.5V, If=1.00A, Ep=386V ![]() Eg1=24.0V Ip=30.27mA rp=4443Ω gm=1636μS μ=7.3V/V Ef=4.0V, If=0.89A, Ep=386V ![]() Eg1=23.8V Ip=30.06mA rp=4540Ω gm=1603μS μ=7.3V/V PSVANEはバラツキが大きいですね。 まずフィラメント電流からしてバラついています。 PSVANEよりFull MsicやLinlaiを好む人が多いのは、電気特性のバラツキ少なさを評価しているのかもしれません。海外のレビュー記事でもPSAVANよりLinlaiのほうがバラツキが少ないという記事がありました。 ソフトンのアンプ技術解説を見るとわかるのですが、初段のECC82の上にガチガチの半導体回路が組まれて終段に直結している回路です。 プレート電流は常に制御されていますが、壊れたときのことを考えると....古典管にとっては際どい回路です。念のためプレート寸前の所にポリスイッチ(リセッタブルヒューズ)を入れたい気分にもなります。 フィラメント点火は徐々に電圧が上がる回路で、4.5Vではなく少し低目の4.0Vになります。(中国製の真空管はフィラメント切れが早い時期にくると言われるので低目の設定なのだと思います) 因みにこのアンプは、プレート電圧386Vプレート電流30mA前後(プレート損失11.7W動作)の設定で、割とプレート損失ギリギリです。しかし、私の経験的に音が良く感じるのは電流を十分に流したほうが歪みが少ない印象で、勿体ながってチビチビ使うやりかたは音が痩ていたり変に歪みっぽいことがあります。 ただ、使用されているトランスが5kΩ:6Ωなので、8Ωの純抵抗相手にした場合でも、相当ロードラインは立てた状態です。本来なら14k:8Ωくらいにしたいところですが強いNFBで解決しているのかもしれません。 205Dはrpが実測で4.5kΩ程度あるので801A並に結構高いんですよね...。 しかし聴感は悪くはないので、これでよしとしましょう。 ソフトンの300Bシングルアンプは大変小型で安価なので、オススメです。(ソフトン製で一番出ているモデルじゃないかな...) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Oct 15, 2023 10:21:29 AM
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