カテゴリ:真空管
随分前、秋葉原のお店でWestern Electricの416Cという真空管を、専用ソケットとセットで購入しました。
![]() 見た目はカッコイイのですが...特殊なソケット形状なので、専用のソケットセットでないと使えません。 そして、これを買ってチョット後悔するという話は後ほど...。 規格は下記の通りです。(416Aと416Bですが、416Cと同等です) 416A data sheet 416B data sheet 6.3V1.18Aですから出力管並です。 因みにカソードが暖まりきるまで30秒~1分かかります。 ヒーターとカソード間の耐圧は45Vしかありません。 バージョンは4つあり、初期型は416A→416B→そして今回紹介する416C→最新のバージョンは416Dというのがあるようです。 接続は下記の通りです。 ![]() ![]() トップ :プレート ネジ部 :グリッド 太いピン :単なるガイドピンでNC。 太いピンの右側 :カソード 太いピンの左側 :ヒーター 太いピンの対角側:ヒーター etracerで特性を測定しましょう。 IpカーブはIg=-0.5Vから-3Vまでです。 測定点はEp=250VでEg=-1.0Vのところです。 【1本目】64238 ![]() Eh=6.3V, Ih=1.18A Ep=250V Eg=-1.0V Ip=15.03mA rp=6135Ω gm=35295μS μ=216.5V/V 【2本目】64521 ![]() Eh=6.3V, Ih=1.20A Ep=250V Eg=-1.0V Ip=13.68mA rp=6646Ω gm=32376μS μ=215.2V/V 高感度な球の割にバラツキは少ないと思います。 因みにIpカーブを-0.5Vスタートにしているのは、0.0~0.5Vは急に電流が流れる様なカーブを描くからです。 つまり、-0.5Vより上は全く使い物になりません。 250Vの上限もあり、大きな入力電圧では下手をすると球の寿命を縮めます。(素のライン入力なら半分以下に絞る必要あり) 250Vで15mA(3.75W)も流すと μが200以上あり、しかもrpは僅か6.5kΩ前後です。 放熱さえしっかりしておけば、たった1段で深いバイアスの出力管を押せる計算です。 ただしグリッド電圧(入力電圧側)のスイートスポットが非常に狭く、バイアス-1Vのとき±0.35V(0.7Vp-p)までが限度です。 つまりライン入力から半分くらいまで絞って使うので、実質μ=100の真空管を扱う感じです。 12AX7などよりはrpがずっと低いので、回路に組み込んだときの増幅率は12AX7よりも高いはずです。 そして電流の低いところでは、Ipカーブの寝た所を使うことで当然ながら直線性は悪化しますので、ある程度電流は流したいところ。 さてその放熱ですが... グリッドの下にあるケースの部分(21.7mmΦ)を何とか一廻り咥えて放熱するのが無難そう。 ただ、それは工作が難しいので、3mmくらいのアルミ板に22mmの穴を開け、真空管をソケットに挿した後に穴の開いた放熱板を被せてネジなどで押さえてあげる程度が個人で出来ることでしょう。の程度でも多少は効果があるかもしれません。 また、太いガイドピン側もソケットに太い裸線を接続して少しでも放熱するなど。 今回の測定で、大変気難しい球であることが確認できました。 確かに高μ低rpですが、それなら普通に12AU7の2段構成の回路にするほうがよほど安くてマシかと。 それに物凄い発熱量なので、フォノ回路に組んだところで熱雑音に悩まされるのではないかと思います。 実は内心、買って失敗したなと思ってます。(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jul 17, 2023 03:15:36 PM
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