カテゴリ:真空管
SIEMENSのDaという真空管を紹介します。
お店の通販で購入しました。 偶然にも特売価格だったので...。 初期の板プレートの茄子型ではなく後期の寸胴なスタイルになっています。 (トップ排気の板プレートの2本組なんてまず出ないですし、出ても数十万円ですので我々庶民には手が出ません) 有名なC3gなどと同様に「ドイツ郵便」用の真空管です。 郵便局で真空管売ってたら、めっちゃ幸せになれると思いませんか? しかも記念切手ならぬ記念真空管とか。 (いや、ドイツ郵便社内の通信その他の業務で使用される真空管なので、一般向けではないです) 特長は、不思議な板。 こんな間隔で板が付いています。 グリッドと電気的に接続されています。 リボン1本で繋がっているので、放熱が目的とは思えません。 私はそれを「謎板」と命名しました。 いいんです。真空管は謎があったほうが魅力的です。 そう思いませんか? (因みにVALVOからもDaは出ていますが、VaALVOのDaには謎板はありません) フィラメントは3点吊り。 余談; Daではありませんが、BaとCaを使った「Ba.Ca 古典球 自作シングル真空管アンプの製作」は必見です。 冗談抜きで必見です。 目の保養になります。 ところで買ったはよいものの、規格がわかりません。 Radiomuseumの「Da」でピン接続とフィラメント電圧はわかりました。 特殊な5ピンで、ソケットの出っ張ったピン側から右回りで ・プレート ・フィラメント ・グリッド ・無接続 ・フィラメント フィラメントはEf=5.8V,If=1.1Aであることはわかりました。 ピンはドイチェポストの5ピンです。 そう、E2dで使われる7ピン(6ピン+センターピン)ではなく、Caで使われるほうです。 そうこうしているうちに、EU Valveさんの「German Post tubes (Part 2)」というページに辿り着きました。 Ep=220V Eg=-30V Ip=50mA Pp=13W これだけわかれば何とかなりそうです。 EU Valveでも書いていましたが、旧型よりプレートが小さいです。 ただし、旧型はニッケル板の裸プレートですし、新型はグレーのコーティングが施された近代的なプレートです。それを考えると旧型と新型ではプレート損失は同じなのかもしれません。 VT-62 真空管アンプの愉しみ「」Ep(P-K間)が277Vの、かなり攻めた運用です。 (整流管を変更してB電圧を上げたと書いてあります) 個人的には240~250迄かなと思っています。 etracerで特性を測定してみましょう。 フィラメント点灯。 Ep220VでIp40mAになるところで測定します。 【1本目】製造番号14005 Ef=5.8V, If=1.10A Ep=220V Eg=-31.5V Ip=40.09mA rp=1526Ω gm=2467μS μ=3.8V/V Efを落として確認します。 Ef=5.5V, If=1.04A Ep=220V Eg=-31.6V Ip=40.12mA rp=1523Ω gm=2452μS μ=3.7V/V 【2本目】製造番号14009 Ef=5.8V, If=1.10A Ep=220V Eg=-33.4V Ip=40.14mA rp=1505Ω gm=2474μS μ=3.7V/V Efを落として確認します。 Ef=5.5V, If=1.04A Ep=220V Eg=-33.4V Ip=39.93mA rp=1507Ω gm=2459μS μ=3.7V/V 大変綺麗なカーブを描いています。 0.3VほどEfを下げても全く動じないほどエミッションが良好です。 新品もしくは殆ど使われていないようなコンディションかと。 Ep=220V, Ip=40mA, RL=5kΩで0.8W出ます。フルスイングでプレート電圧は+120V~+310Vくらい振れます。 200Vに落としても大体0.7Wなので、高能率なスピーカーであれば十分に鳴ります。 どうしても直線性の良いところを使いたいのであれば、220Vのほうが良さそうです。 しかしあの謎板は何だろう.... お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Aug 3, 2023 07:29:39 AM
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