カテゴリ:真空管
RAYTHEONのER52という真空管を紹介します。
![]() カーラジオの出力管として使われていたようです。 Radiomuseumの「ER52」で紹介されています。 Frankさんの規格表書庫にはありませんでした。 とにかく情報がありません。4極菅のようです、 謎球です。 譲って頂いた方から規格を聞いたところ、 6.3V 0.3A Ep=110V Eg=0V Ip43mA RL=2kΩ Po=1.4W μ=5.2V/V とのこと。A2級(※)動作です。 1.4Wは規格上そうであって、実際は1W以下かな。 プレート損失は不明ですが、110Vで43mA動作が出来るということは、最大5Wと考えても良さそうです。とりあえずそう仮定します。(三結でIg2の損失も足されますので大丈夫かと) 226や227程度の小さなバルブに電極がキッチリ入っていますので、プレートが大きく感じますが、実際はそれほど大きくないです。。 ![]() フィラメントは2点吊り。 ![]() 6.3V0.3Aなので、12Aや71Aよりフィラメント電力が大きいですね。 etracerで三結特性を測定します。 高圧側が持ち上がりますので、少し控えめの5.8Vで点火してみます。 少し無理を掛けた150Vで28mAあたりを見てみましょう。 【1本目】 ![]() Ef=5.8V, If=0.28A Ep=150V Eg1=-12.3 Ip+Ig2=28.04mA Ig2=3.62mA rp=1757Ω gm=2810Ω μ=4.9V/V 【2本目】 ![]() Ef=5.8V, If=0.28A Ep=150V Eg1=-11.3 Ip+Ig2=28.01A Ig2=3.58mA rp=1998Ω gm=2540Ω μ=5.1V/V マイナス領域だけで使うなら0.2W以下です。 一寸危ない考えですが、 そもそも構造的に180Vはいけそうという前提で考えれば、そういう動作をさせると0.3Wは余裕で出ます。 寿命的に問題ありかもしれませんが、誰もこの球のそういう使い方での寿命測定(Ipとgmの経時変化ロギング)をしているわけでもなく。 因みにEp150Vで少しだけポジティブ領域にはみ出るくらいなら0.5Wが容易に得られます。 ただ、そこまで複雑に作るだけの価値があるかといえば...微妙です。 ※A2級という呼称について、「A2級という呼称は存在しない」と書かれているブログを発見しました。(その文体から大変気難しい印象でしたのでリンクは貼りません) 確かに最近になっての事かもしれませんが、海外でもClass-A2という呼称は使われているようですので、私たちオーディオ素人は動作がイメージしやすい「A2級」という呼称を使ってよい気もしますが、如何でしょうか...。
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