カテゴリ:真空管
なんでこんな球を買っちゃったんだろう...
実は去年の9月か10月頃に、とあるお店で買ってしまったのです。 しかも4本。 その場の勢いで。 フランス製のTM15という真空管。 ![]() ピッカピカのゲッターが飛んでいます。 CHAUFFAGEと書いてありますが、これはメーカーの名前でしょうか...。 (後日談:フィラメントの意味で、下に書かれている電圧を指定しているようです) ![]() 管面に5.3Vと書いてあります。 謎のマーク。 ![]() 謎だらけです。 唯一、RadiomuseumのTM15の情報のみあるくらいです。 元になっている真空管はE.52という型番で、同じく RadiomuseumのE52の情報に掲載されています。 ここから見えてきたのは、 ・フィラメントは5.3Vの1.2Aか1.4A ・最大出力5Wの出力管(たぶん高周波の送信管) ・E52が設計されたのは1920年代(TM15はもっと後だと思われます) ということです。 とにかくデータが全くありません。プレート損失は見た目から1.5W程度というところでしょう。 何せ薄っぺらい裸のニッケルを筒状にしただけのプレートですし、常に電流を流しっぱなしにするA級動作なら低目にみておいたほうがよいでしょう。 etracerに掛けてみました。 ![]() 因みにフィラメントは5V程度掛けて1.4A前後でした。 ![]() この時代の物はタングステンかも。 プレート損失のラインをとりあえず1.5Wに設定し、IP特性を見てみましょう。 ![]() Ep150V程度では動作領域が物凄く狭いです。 とりあえず高目の電圧高目の電流でクイックスキャンしてみます。 250V掛けたとして-7Vのときに、 Ip=6.58mA rp=17538Ω gm=655μS μ=11.5V/V となりました。 この状態では0.1Wいかなさそうです。 この球は送信管らしいので、プラス領域まで使ってB級動作をさせるものかもしれません。 試しにグリッドのプラス領域を調べてみました。 そもそも、本当にこの子のグリッドにプラス掛けてよいのかわかりませんが、私の心の中の現場猫が「ヨシ!」と言ったので、+5V,+10V,15Vを掛けてIPカーブを描いてみました。 ![]() ちょっとズレて表示されているるような気がしますが、まぁいいでしょう。 200V掛けたとして-2Vのときに、 Ip=7.3mA rp=16450Ω gm=772μS μ=12.7V/V グリッド電圧マイナス側と少々プラス側まで使うとして、 200Vくらいで7mAくらい流す級動作とすれば実用的な出力が得られそうですが、 本当にプラスに振っていいのかわからない真空管なので、一寸怖いです。 それにプレート電圧の規定が全くわかりません。 オーディオ用途では使いづらそうな(オーディオアンプとして実用レベルにするのが困難な)謎球です。 毎回毎回、「なんでこんな球を買っちゃったんだろう」って思います。 反省しているところです。
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