カテゴリ:真空管
今回も「失敗しちゃったかな」感が満載の真空管です。
12JZ8と17JZ8という真空管を紹介します。 ![]() 上がELEVAMの12JZ8、下が日立の17JZ8です。 12ピンのコンパクトロンです。 昨年だったか、2本で1000~2000円台だったので、試しに買ってみた真空管です。 実はゴリピカリ氏の「キューブくん」を見て興味を持ちました。 規格は、真空管(Electron tube) 規格表データベース「GE 6JZ8」を参照ください。 ヒーターの規格は以下の通り。12と17意外に6と13が存在します。 6JZ8 6.3V1.2A 12JZ8 12.5V 0.6A 13JZ8 12.7V 0.6A 17JZ8 16.8V 0.45A 随分と大食らいな球ですね。 12JZ8をetracerで特性を測定してみましょう。 ![]() なお、第二ユニットの三結では170Vの30mA、五結では150Vの35mAで測定しました。 Eh=P12.6V, Ih=0.59A 1本しか測定しませんでしたが、トランスレス用の球なので、電流は揃っているはずです。 【第一ユニット】 ![]() Ep=150V Eg1-5.2V Ip=3.95mA rp=9936Ω gm=2136μS μ=21.2V/V 6FQ7の片側のようなユニットでしょうか...そんな印象です。 【第二ユニット】三結特性 ![]() Ep=170V Eg1=-21.2V Ip+Ig2=29.92mA Ig2=2.85mA rp=1276Ω gm=4389μS μ=5.6V/V 【第二ユニット】五極(ビーム)接続特性 ![]() Ep=150V Eg2=110V Eg1=-10.5V Ip=34.74mA Ig2=1.72mA rp=17086Ω gm=5773μS μ=98.6V/V 第二ユニットは三結にすると前段の増幅率が全く足りません。 これは、ゴリピカリ氏の「キューブくん」の作例に従うのが無難そうです。 第二ユニットの三結、五結ともに直線性は良くないです。これは垂直偏向用途の球なので敢えて直線性を悪く設計しています。これについては日立評論1961年12月号の「垂直偏向出力管の動作解析」が参考になると思いますが、私はサッパリわかりません。(汗) さて、この手の球の「直線性の悪さ」ですが、おんにょの真空管オーディオ「89/38シングルアンプ・完成」では直線性の悪い球を使いつつも概ね高評価です。 なので、直線性が悪さが必ずしも音質の悪さにはならないということでしょうか。 因みに、有名な3033AやR120も、上の方は寝てきていて整ったIpカーブとは言いがたいですし..。 この球の最大の魅力は「大食らいなところ」でしょうか。たとえば6L6でもRFTの6L6は普通の6L6の0.9Aに対して1.1Aの大食らいで何となく魅力を感じるじゃないですか。ああいう感覚です。 手持ちに小さな3.5kΩのトランスがあるので、Ep150Vだと丁度良い感じかと思います。 +Bはトランスの電圧降下と自己バイアスぶん込みで165~170Vくらいでしょうか。 12V電源と安い昇圧ユニットで作るのが無難そうです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Aug 22, 2023 09:48:50 PM
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