カテゴリ:真空管
Western Electricの271Aという真空管を紹介します。
また真空管を買ったのか! とか言わないでください...。(それを言われるとつらくて泣きます) 6013とプリントされています。1960年13週の製造でしょうか...。 見た目も新しいので、保守用として製造されたようにも思えますが、この6013がどういう意味なのかはわかりません。 サイドにちょっとゲッターを飛ばしているだけ。 これで十分のようです。 とても綺麗な造りです。 電極は円筒状ですね。 そしてカソードが太いです。 EU Valveの「W.E. tubes Part 2」 252Aからほどなくして誕生した傍熱型三極管だそうですので、もし手持ちの271Aが960年代製造のものであれば、かなり新しい時代の製造といえましょう。 最新のものであれば、カソードの完成度も高くエミッションも安定しているかと思います。(...と期待しています) 規格は、Frankさんの資料室の「271A」規格表が参考になります。 規格によるとグリッドは+20Vまで許容しているようです。 プレート損失は直接書かれていませんが、動作例から約20Wあたりではないかと思います。 (400Vの54mAですと約22W、450Vの57.5で約26W) ヒーターを灯すとこのような感じです。 奥に鈍いオレンジ色に光る太いカソードが見えます。 5V2Aといえば、6.3V換算ですと1.6Aくらいですね。 etracerで特性を測定します。 プレート損失のラインは前述の理由で、20Wに想定し設定しました。 現実的な動作としては350V40mA(7kΩ負荷で出力1.3W)あたりでしょうか。 これ以上高い電圧で動作させてもパワーは出るもののIpカーブが寝てきて歪みばかりが目立ちます。 もう少し低い電流(35mAくらい)でも良さそうです。 プレート損失とパワーと歪率の丁度良い落とし所かなと私個人は思っています。 【1本目】 5.0V, 1.98A Ep=350V Eg=22.2V Ip=40.08mA rp=2774Ω gm=3034μS μ=8.4V/V 【2本目】 5.0V, 1.99A Ep=350V Eg=22.0V Ip=39.88mA rp=2870Ω gm=2894μS μ=8.3V/V 直線性はそれほど良くないです。 感度は良いですがrpが高目です。 理想的には負荷は8~10kΩですが7kΩで良いと思います。 350V40mA7kΩ負荷で最大出力1.3W歪率4%。 これで十分ではないかと思います。 しっかりした構造の真空管で、ヒーター電力も大きく力強く感じますね。 とても魅力的な真空管だと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Oct 27, 2023 08:55:47 PM
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