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Sep 15, 2024
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カテゴリ:真空管
DA30オジサン2024アップデート(アリエク風に)

ということで、GEC DA30(新型)の紹介です。


市場で見かけるのは黒のベースですが、こちらは茶色のベースです。製造時期の違いでしょうか...。

余談ですが、ベースの向きに対して2本のDA30の印字が真逆の位置ですね。
最近のオーディオ用真空管とは異なる考えですので、これは仕方ないですし、特に英国製は電極の向きまでバラバラのときがあります。(笑)


DA30という印字の左下と右下に製造ロットのような印字があって、それぞれ「I KJ」と「I KL」でした



以前紹介したDA30という真空管とは規格はほぼ同じですが真空管の構造が異なっていて、こちらは四極管を三極管接続しています。


プレートのすぐ内側に4本の柱が立っていてそこにスクリーングリッドが巻かれています。


この構造のメリットは効率や耐圧などだそうで、仕組みについては真空管のコアな世界「3極管と5極菅の路地裏ばなし」が詳しいです。
以前紹介したCV1040(PX25)もこの構造ですね。

全体的な造りは、以前紹介したCV1040(PX25)とほぼ同じで、グリッドのピッチが異なるようです。



etracerで特性を測定しましょう。
320V60mAのところで測定します。

【1本目】
Ef=4.0V, If=2.02A

Ep=320V
Eg=-79.5V
Ip=60.18mA
rp=763Ω
gm=4086μS
μ=3.1V/V

Ef=3.8V, If=1.96A

Ep=320V
Eg=-79.0V
Ip=59.88mA
rp=777Ω
gm=4083μS
μ=3.2V/V

【2本目】
Ef=4.0V, If=2.07A

Ep=320V
Eg=-79.2V
Ip=60.01mA
rp=768Ω
gm=4117μS
μ=3.2V/V

Ef=3.8V, If=1.95A

Ep=320V
Eg=-78.8V
Ip=59.86mA
rp=776Ω
gm=4079μS
μ=3.2V/V

実に綺麗なカーブを描いています。
因みに1本目は320Vの-79.5Vで70mAを5kΩ負荷で最大4.35W、しかも非直線歪2.85%です。
これは前段の非直線性がモロに出ます。音が悪かったら終段のせいではありません。

Ip特性を見ると、以前紹介したDA30という真空管とほぼ同等であるといえますが、若干異なります。

では、実測したIpカーブを見比べてみましょう。
上が新型(四極管の三極管接続)、下が旧型(純三極管)です。


旧型のほうが高圧のカットオフ側でIpの立ち上がりが訛って幅が詰まる傾向にあります。
勿論ほんの僅かの差であり、最大出力のクリップ寸前でなければわからないと思います。
1W程度での差異は殆どありません。

規格上は同じですから当然同じ結果になるはずですが、構造の違いでしょうか微妙に異なることが実測によって確かめられました。


真空管を実際に測定してみると、多少のバラツキはあるものの大体の傾向はわかります。
規格には現れない情報も見ることができます。
今回の測定結果が、DA30をお持ちのオジサマ達の参考になればと....。





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Last updated  Sep 16, 2024 06:53:23 PM
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真空管の達人@ Re:KELLOGGの401という真空管(01/01) 久しぶりに来たのですが、真空管博物館の…
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