カテゴリ:真空管
ECL-1144Dという真空管を紹介します。
![]() かなりくたびれていますが... 滅多に見かけないので、取り敢えず買いました。 ![]() 印字が色あせていて、味があります。(笑) ![]() 「1957-12 0163」と書かれています。 ![]() もう1本は印字が殆ど消えていました。 さてこのECL-1444Dですが... この型番で検索しても全く出てきません。 謎球です。 そう、私たちコレクターの大好きな謎球です。 こういうリセールが全然効かなくて転売業者が手を出しにくい球こそが魅力的なんですよ。 では、この子は一体何者なのでしょう.... ![]() とりあえず「俺は高gm管」だと主張しているようです。 ピン配置を探ったところ... ![]() うーむ...シールドが邪魔で見にくい。 何となく見えてきました。 ![]() これは436Aのピン配置です。 1番 ヒーター、電極周りのシールド 2番 カソード 3番 カソード 4番 コントロールグリッド(G1) 5番 無接続 6番 ヒーター 7番 スクリーングリッド(G2) 8番 無接続 9番 プレート ヒーターはどうでしょうか。 ヒーターを灯して色味を確認します。 ![]() 5V位で丁度良さそうな色味になってきました。 6.3V時に0.45Aなので、やはり436A的なものでしょうね。 とりあえず、ヒーターは6.3V0.45Aと仮定して進めます。 プレート損失とスクリーングリッド損失は、436Aのプレートが最大190Vの20.02mAなので約3.8W、スクリーングリッドが160Vの10.8mAなので1.7Wと仮定します。 とりあえず。 【1本目】Eh=6.3V, Ih=0.45A 四極管接続 ![]() うわ、酷い。 バリッバリのダイナトロン特性。まさに四局菅のお手本。(笑) 気を取り直して続けます。 Ep=190V Eg2=130V Eg1=-0.9V Ip=12.23mA Ig2=4.04mA rp=113058Ω gm=20275μS μ=2229.2V/V 三極管接続 ![]() Ep=160V Eg1=1.5 Ip+Ig2=14.86mA Ig2=5.24mA rp=2207Ω gm=23685μS μ=52.0V/V スクリーングリッド電流が結構流れますが、0.8W程度なので大丈夫そうです。 【2本目】Eh=6.3V, Ih=0.45A ![]() 四極管接続 Ep=190V Eg2=130V Eg1=-0.7V Ip=11.05mA Ig2=3.55mA rp=140198Ω gm=20139μS μ=2823.5V/V 三極管接続 ![]() Ep=160V Eg1=1.3 Ip+Ig2=15.24mA Ig2=5.36mA rp=2021Ω gm=25333μS μ=51.2V/V 四局菅接続では ・低電圧域でダイナトロン特性が派手に出る。 ・感度が高すぎる ということで、非常に狭い範囲での動作しか出来ず、オーディオには向きません。というか、 そもそもオーディオ用真空管ではございません。(笑) 三極管接続では、 ・スクリーングリッド電流が結構流れる。 ・直線性はそこそこ良い。(悪くはない) ・ハイgm管なのでrpが低い! ・バイアス電圧もそこそこでオーディオの振幅に合っている。 ・μが50ほどあり、使いやすそう。 ・Ipカーブの立ち上がりは50V過ぎてからなので、プレートに160Vは欲しい ということで、オーディオ用途で使うなら断然三極管接続です。 160Vでバイアス-1.5V、15mA流すと直線性の良いところが使えます。 ところで、436Aと類似なのかどうなのかは、436Aを所有していないので何とも言えませんが、このあたりはガチのコレクターさん達にお任せします。 因みにEbayでの436Aの価格が凄すぎます。 四局菅接続の特性特性を見てからのよく考えて購入することをおすすめします。 三結にするにしても、うーん、もっと安い真空管がありますよね? 謎球遊びは謎解き遊びに似ていると思います。 探っている時が一番楽しいんです。 あまり知識を身につけてしまうと、こういう遊びは逆につまらなくなってしまうでしょうね。 言い訳になってしまいますが、「知識が欠けているくらいが趣味としては丁度良い」かなぁと思っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[真空管] カテゴリの最新記事
|
|