カテゴリ:真空管
SIEMENSのE3aという真空管を紹介します。
美しい真空管です。 しっかりした造りで、電極全体がシールドされている印象。 逆に言うとフィラメントを点灯してもよくわからない感じです。 ただ、規格はほぼわかりません。 謎球です。 ピン配置ですが、RadiomuseumnのE3a情報のピン配置はトップビューですのでご注意を。 ボトムビューは、ベースの出っ張りを1番として右回りに、 1. P 2. F、G3 3. G2 4. G1 5. nc ※ 6. F 7. nc(センターのピンです) ※RadiomuseumnのE3a情報の情報と異なり5番がNCです。 サプレッサーグリッドのとフィラメントのDC点火の関係ですが、 私は2番ピンがマイナスでもプラスでも構わないと思っています。 サプレッサーグリッドはプレートやスクリーングリッドの動作よりはるか低く限りなくカソード電位に居れば問題ないはずです。+4Vでも誤差範囲と考えますし、そもそもフィラメントすなわちカソード電位は端から端まで4Vの電位差があります。直熱管のフィラメント電位のジレンマは「あまり考えない」のが一番良いですね。(笑) ところで、ネットに見当たらない諸特性ですが、 譲って頂いた元オーナーの話によりますと、電気的特性はRES964, E443H類似であるといいます。 因みにRES964の規格は下記の通りです。 Ef=4V If=1.1A Pd=9W(MAX) Ep=250V(MAX) Esg=250V(MAX) では、etracerを使って、謎を解いていこうと思います。 三極管接続と五極菅接続の特性をそれぞれ測ってみます。 【1本目】 Ef=4.0V, If=1.00A 三極管接続 Ep=240V Eg1=-18.3V Ip+Ig2=28.22mA Ig2=4.59mA rp=2572Ω gm=2913μS μ=7.5V/V 五極管接続 Ep=240V Eg2=230V Eg1=-14.8V Ip=28.23mA Ig2=5.62mA rp=136002Ω gm=2488μS μ=338.4V/V 【2本目】 Ef=4.0V, If=1.00A 三極管接続 Ep=240V Eg1=-16.1V Ip+Ig2=27.91mA Ig2=4.66mA rp=2459Ω gm=3354μS μ=8.2V/V 五極管接続 Ep=240V Eg2=230V Eg1=-13.3V Ip=28.01mA Ig2=5.61mA rp=48105Ω gm=2989μS μ=143.4V/V フィラメントは電圧降下には敏感で、0.2V下げの3.8Vで高電流域の垂れ下がりが目立ちましgmもかなり落ちましたので、今回は4.0Vのみの測定結果としました。 真空管そのものは新品同様のコンディションなので、フィラメントの能力がギリギリの設計であるのかもしれませんね。 五極菅接続は定電流領域での測定なので、測定誤差が結構出ます。数値はあまり参考にならないです。 五極菅接続ではEp=240VにEg1=13~15Vの7kΩ負荷、でIp=28mAで2Wくらい出ます。しかも歪率は6%程度に収まります。これは大変優秀だと思います。 三極管接続では240V28mAで7kΩ時に0.64Wで、五極菅接続よりかなり能率が落ちます。 しかし綺麗な特性なので、これは魅力的であると感じました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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