カテゴリ:真空管
6AG7という真空管を紹介します。
私は何本か持っていますが、今回は手持ちの3ペアを紹介します。 左から、RCAの6AG7、TENの6AG7、東芝の6AG7です。 6AG7はGallery on Tubes/真空管展示室「Page-Vid1. Video Power Pentode-Part1 Single Tube/TVの映像出力管 -単管」で映像増幅管として紹介されています。 規格表は真空管(Electron tube) 規格表データベース「RCA 6AG7」が参考になります。 この真空管は、 ・gmが高い ・スクリーングリッド電流が流れやすい(それ故スクリーングリッド電圧に制限がある??) ・6F6などと全く異なるピン配置(6SJ7と同じピン配置です) という特徴とクセを持っています。 このスクリーングリッド電流の流れやすさは特に三結の場合はスクリーングリッド損失増大と直結しますので、注意が必要です。 最大スクリーングリッド電圧の規格が低目なのは上記の影響ゆえかと思われます。 220V程度の三結で使ううえでは常にスクリーングリッド電圧が規格を上回っているため「あくまで自己責任で」ということになります。 因みに同等管で6AK7というものがありますが、The valve museum「6AK7規格」を見ても6AG7と同じです。 etracerで特性を測定しましょう。 6AG7の三結特性は規格表に無いので、三結特性を見たいです。(スクリーングリッドの電圧規格値を超えての動作ですので、自己責任の範囲で) 3ペアあるうちの1本ずつ測定します。 【RCA】 Ep=220V Eg1=-6.0V Ip+Ig2=29.96mA Ig2=5.92mA rp=2146Ω gm=11276μS μ=24.2V/V 【TEN】 Ep=220V Eg1=-6.3V Ip+Ig2=30.04mA Ig2=6.07mA rp=1995Ω gm=11721μS μ=23.4V/V 【東芝】 Ep=220V Eg1=-6.5V Ip+Ig2=29.91mA Ig2=5.81mA rp=2074Ω gm=10789μS μ=22.4V/V 盛大にスクリーングリッド電流が流れていますね。 高gm管なのでバラツキが大きいですが、三結では大体このあたりに収まる印象。 三結の場合はプレート電流+スクリーングリッド電流の和になります。 この値でのプレート損失は220Vの24mAで6W弱、スクリーングリッド損失は220Vの6mAで1.4W弱です。 (因みにグラフのプレート損失のラインは9Wにしてあります) これはギリギリいける!! 5kΩ負荷で1W近く出ますし、最大出力時の歪率は5%弱。 7kΩ負荷では出力は3~4割ダウンになりますが歪率は3%以内です。 規格表の五極菅としてのデータは直線性が悪そうでしたが、三極管接続では全く悪くありません。(三極管接続は内部で帰還が掛かると言われているので高感度な真空管ですとより帰還の掛かりが良くなるのかもしれませんね。私は電気的な話はよくわかりませんが...。) 発振さえ気をつければ本当に綺麗な特性を持っています。 ある人が「6AG7の三結は音が良い」と言っていましたが、どうやらこの特性に秘密が有りそうです。 μが20ありますから初段6AG7三結で終段6AG7三結という手も...。 6AG7の可能性を感じる測定結果となりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Nov 16, 2024 09:28:02 PM
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