カテゴリ:真空管
昨年、真空管ショップで7984という真空管を購入したので紹介します。
![]() たしか4本で1万円くらいでした。 ![]() データシートやネットにあがっている実測データを見る感じでは特性は然程良好ではなく、そこまで欲しくはなかったのですが... 謎球好きの私としては、 よくわからないけど、とりあえず買っておく ということで。 いや、だって... 謎球は自分で実測したくなりますよね? ...ですよね? 結論から言うと、「まぁ悪くない買い物」でした。 測定してみると実用性十分であることがわかりました。 規格は、真空管(Electron tube) 規格表データベース「7984」規格表が参考になります。 車載用無線機の送信管だったようで、ヒーター電圧は13.5V±1.5Vになっています。 それゆえエミッションにはゆとりがあり、多分12.6Vでも余裕でしょう。 7984は一般向けではなかったせいか、使用例などがありません。 自作オーディオアンプとしての作例はありとな世界「7984変則ULプッシュプルアンプ」があるようですが、かなり複雑な回路です。 そしてこの構造は! ![]() そう、この真空管の一番の魅力は「ある角度から見ると赤熱したカソードが見えること」です。 ![]() こういうのはカッコイイですよね。 etracerで特性を測定しましょう。 Epは200Vあたりで。 五極菅接続はEg2を75Vにしました。これくらいで十分過ぎる程にプレート電流が流れます。 元々の設計はB級やC級などで使う送信機用ですが、私たちが使う場合はA級動作が前提です。 【1本目】 三極管接続 ![]() Ep=200V Eg=-32.0V Ip+Ig2=41.83mA Ig2=3.76mA rp=850Ω gm=5615μS μ=4.8V/V 五極菅接続 ![]() Ep=200V Eg2=75V Eg=-8.0V Ip=42.19mA Ig2=0.75mA rp=22168Ω gm=8322μS μ=184.5V/V 【2本目】 三極管接続 ![]() Ep=200V Eg=-33.3V Ip+Ig2=42.00mA Ig2=3.56mA rp=845Ω gm=5465μS μ=4.6V/V 五極菅接続 ![]() Ep=200V Eg2=75V Eg=-8.3V Ip=42.43mA Ig2=0.68mA rp=24556Ω gm=8140μS μ=199.9V/V 【3本目】 三極管接続 ![]() Ep=200V Eg=-33.4V Ip+Ig2=42.15mA Ig2=3.26mA rp=852Ω gm=5358μS μ=4.6V/V 五極菅接続 ![]() Ep=200V Eg2=75V Eg=-8.4V Ip=41.81mA Ig2=0.67mA rp=25000Ω gm=8118μS μ=202.9V/V 【4本目】 三極管接続 ![]() Ep=200V Eg=-33.8V Ip+Ig2=42.24mA Ig2=3.63mA rp=835Ω gm=5417μS μ=4.5V/V 五極菅接続 ![]() Ep=200V Eg2=75V Eg=-8.6V Ip=41.99mA Ig2=0.72mA rp=21707Ω gm=7886μS μ=171.2V/V 大体のペアが組めそうです。 三極管接続ではrpも低いのでNFBを少なめにできそうですね。 五極菅接続時のスクリーングリッドはオーディオのA級で使うなら75V程度の低い電圧で十分です。これでフルパワーを出せます。 直線性は良くないのでプッシュプルが無難でしょうか。 三極管接続5k負荷なら230V42mAで2.4W(5.5%) 三極管接続3.5kΩなら200V42mAで2.4W(7.6%) 五極菅接続5k負荷なら230V75V42mAで2.4W(10%) 五極菅接続3.5k負荷なら200V75V42mAで2.4W(8%) 意外と手軽に使えそうな印象です。 12ピンのコンパクトロンなのでオクタルに比べると配線が細かく大変ですが。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Mar 24, 2025 07:45:44 PM
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