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テーマ:時事問題評論(3136)
カテゴリ:時事問題
《山梨県大月市の中央自動車道笹子トンネルで2日、天井板が突然大規模に崩落し、押しつぶされた車に乗っていた9人が亡くなった》(12月5日付毎日新聞社説)
地震などの不可抗力が加わったわけではない。天井板が自然落下し人命を奪ったという意味でこの事故は重大である。 《中日本高速は「天井が高くて手が届かず、目視点検で済ませていた」と釈明するが、内部の腐食など目視では分からない異常が見逃された可能性がある》(時事ドットコム:2012/12/05-01:08) 本来「打音検査」すべきであるが、天井が高くて手が届かないから目視検査だけで済ませていたというのは明らかなる怠慢である。最後の打音検査は2000年というから恐れ入る。 天井板が落ちればどうなるのか、そのことが予想できない人たちが管理しているのだからこういう事故が起こるのも当然である。が、 《トンネル内のコンクリート崩落は99年、山陽新幹線でも起きた。この時も打音検査をせず、目視だけの点検が厳しく問われた》(12月5日付京都新聞社説) ということであるなら、今回の事故は想定外だったというよりも、他山の石とすべき類似の事故を無視する傲慢さ、ないしは感覚の鈍さというものが生み出した事故だと言えるだろう。 事故が起こってからでは遅いのである。が、事故が起こってもいないのに「石橋を叩いて渡る」かのような点検作業は誰に誉められるわけでもなく、余程の責任意識がなければできないことであろう。さらには整備点検に対する費用を確保するのも難しいということもあるだろう。 事はトンネルだけの問題ではない。橋にせよ高架にせよ耐用年数が切れるインフラ設備は多い。もちろんこれらを新たに作り換えるのには莫大なお金が必要となる。 自民党は「国土強靭化」ということを言っているが、東日本大震災を経験したのであるからむしろ当然のことと言うべき政策であろうと思われる。ばら撒き批判がある中で、その必要性が今回のトンネル事故でも周知されたのではないだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.12.06 03:17:55
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