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テーマ:時事問題評論(3135)
カテゴリ:時事問題
しかし、現状は、アメリカがヒステリックにならざるを得ないほど日本の技術力は進んでしまっているのです。要するに、それは日本にとっては最高最大の重要な財産、エースカードなわけなのに、日本の国際政治はどうしたわけかそれを有効に使っていない。そのことが、日本の外交での私の最大の不満なのです。(盛田昭夫・石原慎太郎共著『「NO」と言える日本』(光文社)、p. 119) カードを使える人物、例えば、石原氏に交渉させればよいのにそれをさせないのはなぜか。米国から圧力もあっただろうが、日本が「外交」というものが分かっていないことも大きな要因ではないか。交渉で強く出れば「武力衝突」に発展しかねないなどということがあるのだろうか。はたまた、太平洋戦争前のように、世界がブロック化し、日本が締め出されるなどということも考えにくい。交渉は交渉である。言うべきことは言えばよい。卑屈にならずに堂々と振る舞えばいいではないか。米国の居丈高なやり方に不満を持っている国はたくさんある。日本が孤立するなどということは有り得ない。それくらいの認識を持って交渉に当たるべきなのではないか。 ハイテクを取引に使わず、贈り物にしたせいで、レーガンは友情をお返しにくれただけなのです。友情、愛情だけで国際政治の難局を切り抜けられるわけがないと思います。 せっかく素晴らしい切り札を持っていてなぜ、日本の外交はイエス、イエスとばかり首をタテに振ってくるのか残念でならない。とくに元総理の中曽根さんは重要なときに日本のためにならないことをアメリカでしてきたと私は思います。大げさではなくフェイタルな、運命的なミステイクをしている。 ロン・ヤスなどと言っていかにも日米関係を上手に維持させてきたかの印象を与えていますけれど、実際は、レーガン大統領のイエス・マンでしかなかった。(同、pp. 119-120) 中曽根康弘首相(当時)の功罪を安易に語るべきではないのだろうが、私は石原氏の認識に賛同する。中曽根氏はレーガン大統領の傀儡(かいらい)でしかなかったのではないか。 中曽根元総理は、日本の先端技術がアメリカよりも優位に立っており、アメリカがその事態をヒステリックなくらい恐れているのも知って、なおかつあの人なりの政治センスで「ノー」とは言わなかったのだと思います。ニクソン時代の日本の総理みたいにロッキード疑惑などで弱味を握られているのでしょうか、どうでしょうか、これだけ優位に立てる条件が揃っている日本のリーダーなのにどうしてなのか。優位な条件を示し、そっちが無理を言うならこちらにも考えがある、と強く出るくらいの姿勢を保ってほしかったと考えます。(同、pp. 120-121) まさか日本が自前で石油を調達できるように動いた田中角栄首相(当時)が米石油メジャーの怒りを買ってロッキード事件をでっち上げられた一件を見てビビってしまっているのだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.02.14 21:00:08
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