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テーマ:憲法議論(169)
カテゴリ:憲法
現行日本国憲法は、その本質が、占領管理法である限り、占領終了と同時に失効せるものと解すべきである。故に国家としては、速やかにこれが失効確認手続きをとるべきであろう。そして日本国憲法の失効が確定すれば、この法によって、一時効力を停止され、棚上げされているわが国本来の帝国憲法が、復活することも当然である。(菅原裕『日本国憲法失効論』(国書刊行会)、p. 108) 日本国憲法は、基本的に占領統治法だったのであるから、占領が解かれた時点で失効すべきものであった。詰まり、現在は、その失効宣言が遅れている状態にある、と考えるべきではないかということである。 しかし今日の客観情勢上、帝国憲法がそのまま、復活したのでは、種々の混乱を伴うであろうから、これが改正、増補をする必要がある。その改正増補のためには、慎重を期し法律による憲法対策委員会を設置し原案を作成すべきであろう。そしてその原案を参考として改憲の御発議を願い、その復活憲法の改正ができるまでは、臨時措置法を制定しておく必要がある。しかしながら、その臨時措置法の制定について、また、改憲派だ擁護派だと抗争されても迷惑だから、現行の日本国憲法の内容をそのまま、一時借用すればよいと思う。(同) 失効手続きは後から何とでもなる。とにかくどうやって「失効宣言」にまで持ち込むのかを考えるのが先である。 菅原氏が指摘する中で大事だと思われるのは、「啓蒙的国民運動」というものである。 現在の中年以上の人達の頭は、敗戦と占領でだいたい狂っているのではなかろうか。論より証拠、天下を二分しているという社会党や民社党は、向米一辺倒は不都合だといいながら、そのアメリカが、日本の雁首を引き抜いたこの占領憲法だけは、金科玉条だというのだから、智能程度12歳と笑われても仕方ない。一方自民党も、保守党と銘打ちながら、社会党や共産党同様、占領憲法是認論で、ただ第9条だけ改正すれば十分だという。これが日本の2大政党の態度なんだから、正気の汰汰(→沙汰)とは思われない。 それなら若い者はどうか。今の青年は、終戦後、修身も、地理も、歴史も教えることを禁ぜられて、占領下の奴隷生活時代に成長し、日教組と教授グループとによって無国籍人として教育された。こんな人たちに、祖国日本の永久憲法はいかにあるべきかと質問しても、答えが出るはずがない。要するに日本国民は曠古(こうこ=前例のないこと)の敗戦と、過酷な占領統治で、虚脱状態に陥り、長い間天国に遊んでいる夢を見ていたのだ。 政府はすべからく、日本とはいかなる国か、日本人とはいかなる民族か、なぜ大東亜戦争をやらなければならなかったか、どうして負けたか、そうして占領中の数年間なにをされたかを、赤裸々に、国民に告白し、かつ現下の国際情勢を、偏せずかくさず、徹底的に説明、周知せしむべきである。そして伝統の民族的信念と、健全なる世界的視野による感覚の上に立って、確固たる地歩を固めた後、おもむろに改正に着手すべきではあるまいか。(同、pp. 111-112) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.08.09 21:00:10
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