君はうどんを音を立てずに食べれるか?
豆店長が家族と一緒に夕ご飯を食べていたら、嫁さんから「音を立てて食べるのはやめてよ!」と怒られました。なので、「よし!今この瞬間から一切の音は立てるな。」というルールを豆店長は決めたのです。しかし、この時のメニューの中に「うどん」があったのを忘れてました。熱々のうどんを一切の音を立てずにどうやって食べたらいいのか?まず、「ふぅ~ふぅ~」と、うどんを冷ます行為が難しい。音を立てずに「ふぅ~ふぅ~」しなければならないので、「ふぅ~」に勢いがない。しかも、そよ風以下のゆるゆるの、と息なので、なかなかうどんが冷めてくれません。万が一冷めたとしても今度はうどんをすするのが難しい。本来なら「ぞぞぞぞぞぞ~~~~ちゅるん!」と豪快に食べるのですが、音を立ててはいけないのでそれは無理。だから、ミリ単位でうどんを口の中に吸い込ませなければならない。しかし、吸い込ませようとすれば確実に音がする。どうしたものか???しばらくして答えが出た。まず、前歯を使ってうどんを軽く噛み、うどんが固定されたところを今度は唇をすっぽんみたいに尖らせてうどんをさらに固定させるのだ。次にうどんをしっかりと箸でつまみ歯で噛み切る。そして口の中に入ったうどんを音を立てずに咀嚼するのです。完璧だ・・・・ しかし疲れる・・・。 んもう、音を立てずに食事をするのはかなり疲れるよぉ。しかし、音を立てないで食べるというルールを掲げたのは誰でもない、この豆店長なのです。意地を通すしか道はない。さぁ、残りのうどんを再び食べましょう。だが、今度は良いアイデアがひらめいた。口で「ふぅ~ふぅ~」だけではうどんが冷めるのに時間がかかるので今度は鼻息にも協力してもらうことにした。口で「ふぅ~ふぅ~」鼻息で「んん~んん~」の両刃使い作戦。これはかなり効果がありそうです。うどんを箸ではさみ、おもむろに顔に近づけます。そして音を立てずに「と息」と「鼻息」で・・・「ふぅ~ふぅ~」「んん~んん~」「ふぅ~ふぅ~」「んん~んん~」「ふぅ~ふぅ~」「んん~んん~」つ、疲れる・・・頭がクラクラしてきた・・・よく見ると顔を真っ赤にして家族全員がやってる・・・・・・・・・・・・・バカみたいだ・・・・そして誰とはなしにつぶやきました。「音を立てないって美味しくないね。」この時、豆店長の目からウロコが数枚落ちたのを感じました。そうだ。音のない食事って美味しくないんだ。音のない食事ってお通夜みたいだ。音のない食事って頭がクラクラするんだ。音のない食事って顔が真っ赤になるんだ。やっぱり家族でワイワイガヤガヤ話しながら、しかも音を立てながら食べるのが良いんだ。その後、家族みんなが、うどんを「ぞぞぞぞぞぞ~~~~ちゅるん!」って、豪快に食べたのは言うまでもありません。めでたし めでたし。