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前回のミカンコミバエに続いて、今回の外来種も害虫、イネミズゾウムシです。
もともと栽培の歴史の古い稲などの場合、既に生態系は整い、外来種が入り込む余地が無いというのが一般的な考えだった当時、その説を覆した害虫。それがイネミズゾウムシです。 国内では天敵の為に数が増えない害虫も、海外で爆発的に増えるという話はよく聞きますが、まさにそれに当てはまったという訳です。もともとは北米でイネ科の雑草に依存しながら害虫としてそれほど認識されていなかった虫です。それがカリフォルニア米の稲作開始で増加し日本に入り込んできたことになります。 イネミズゾウムシ成虫 体長は3mm程度 このイネミズゾウムシが最初に発見されたのは、1976年(昭和51年)、愛知の知多半島で、それから10年後には全国で見られるようになったといわれています。 被害に関しては、成虫が稲の葉を食べて、生育を遅らせ、幼虫いたっては稲の根を食べるということから、稲そのものが全滅してしまう可能性もある訳です。 そして被害地域が全国に広がった理由として、この虫の特長があげられる。 成虫は水の中を泳ぐことが出来、幼虫は水の中で稲に管のような突起物を挿しそれで呼吸しながら土の中と通り移動する事が出来ます そして最大の原因は産雌処女生殖で、雄との交尾がなくても繁殖できること、そして雌ばかりを産みます。そのため、両性生殖の倍以上の速さで全国に拡がっていったので有効な駆除手段がなかった当時では対処し切れなかったというのが実情でしょう。 そんなイネミズゾウムシも現在では、駆除方法も確立され、新たな天敵の出現により数が安定しているのが現状のようです。 それでは次回 ブログランキング 雑誌 TREview『雑誌』ブログランキング 外来種ハンドブック お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年11月18日 19時51分11秒
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