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2012/07/09(月)11:36

映画「K-19」を見て考える

日常生活から(561)

『K-19』 2002年米・英・独映画 キャスリン・ビグロー監督 クリストファー・カイル脚本 ハリソン・フォード、リーアム・ニーソン、ピーター・サースガード、クリスチャン・カマルド 原題は『K-19:The widowmaker』でして、私は「widowmaker」という言葉を最近どこかで聞いた事があります。 1961年にソヴィエトの原子力潜水艦の実際の事故に基づいた映画だそうです。 映画の主役は956型原子力潜水艦です。 米国に対してソヴィエトの軍事力を見せるための北海海上でのミサイル発射実験を行うために急ピッチで建造されましたが、あまりにも急ぎ過ぎたので処女航海に向けて乗組員も装備もかなり不十分だったようです。 ハリソン・フォード演じるボストリコフ艦長に率いられた乗組員は命を預けたK-19と戦う事となります。 ボストリコフ艦長は北海へ向かう途上緊急事態に対応する訓練を徹底的に行い、次に艦の能力を試すような急降下潜水も実行します。 ボーレン副艦長は特に不要な潜水は乗組員の生命を脅かすと反発しますが、映画が進むにつれてだんだんボストリコフ艦長の考えが明らかとなっていきます。 ミサイル発射訓練は成功に終わって艦は帰国する事となりますが、原子炉の給水管に亀裂が入って炉内の温度が急上昇を見ます。 ここで艦には放射性物質を遮断する防護服も薬も無い事が明らかとなります。 給水管の亀裂を溶接した兵士達はまたたくまに急性被曝による身体の変化で倒れて行きますがとりあえずの応急措置はほどこす事が出来ました。 レーダー通信が途絶えて軍やクレムリンの指示をあおぐ事も出来なくなります。 艦長は原子炉への負担を最小限にするために緩慢な速度での航海を指示しますが、原子炉のトラブルをいつまでも隠し通せるものではなく、心理的に不安定となった兵士の中には自殺する者も出て来ますし、不慮の火災も発生します。 士官にもパニックとなる者が現れて艦長を拘束して副艦長を代わりにしようとします。 副艦長はこれを拒否して艦長に状況説明を艦全体に行うように諭します。 ここでやっと艦長がいかなる緊急事態が起こっても米軍に救援を求めたくない理由が明らかとなります。 更なる原子炉の温度上昇は、放射線士官ヴァディムの自らの命を捧げての溶接作業で収束します。 友軍の潜水艦が救援にかけつけてランデブーが成功し、被曝症状で限界状態の乗組員はやっと艦から離れる事が出来ました。 映画には出て来ませんが、ソヴィエト軍は事故艦を除染・修繕して1991年の放射能漏れ事故による退艦まで使い続けたそうです。 だいたい10年に一度の頻度で死傷者を伴う事故を起こしながらだったそうです。 「一度大金をかけて造ってしまったら他の物で代用が出来ない」という事は、どんな所でも起こりうる事なのかもしれません。

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