2007/04/11(水)21:31
★「砲丸」職人の話
今朝の日刊工業新聞・産業春秋から
アトランタ、シドニー、アテネとオリンピック3大会連続で金、銀、銅のメダルを独占。といっても陸上競技に使う砲丸の話である。
辻谷工業(埼玉県富士見市)の手作り砲丸は、重心の確かさとフィット感でトップアスリートの信頼を得ている。
材料の鋳物は生き物のように一つひとつ重心の位置が異なる。重力の影響で下方ほど密度が高く、季節により収縮率も変わる。社長の辻谷政久さんは汎用旋盤を使い、音と手に伝わる圧力で密度を確かめながら、重心が球の中心にくるよう削り上げる。
辻谷さんは工業高校を周りモノづくりの楽しさを説いているが、最近気がかりなのは失敗を恐れる子供が増えていることだ。「失敗するとすぐ止めてしまうから何も身につかない」
辻谷さんは、迷える子供たちに語りかける。
「失敗こそ面白い。克服したとき、人は一回りも二回りも大きくなる」。
・・・これもまた長い経験が培った職人の言葉、説得力を感じる。