今が生死

今日は祝日で休日だが重症の患者さんが3人もいるので午前中病院に行ってきた。病院に行けば病状が改善するわけではなく、明日する検査の指示とか内服薬の内容を少し変えただけで帰ってきた。

重症を抱えていると慢性的に神経がダメージを受けるのか、自分の力では患者さんを健康にできないことに失望して落ち込み、人生に希望が持てなくなってしまった。このまま自分自身が壊れていくのではないかとの不安に駆られた。

その時思い出したのが大学受験の時自宅浪人していて様々な精神的苦悩に襲われた時のことだ。その頃梅田薫先生が書かれた「精神強化療法」という本を熟読して、腹式呼吸をしたことである。

それは吸気とともにお腹を膨らませる呼吸である。これがすごい力を発揮して勇気を凛凛と湧きあがらせてくれたのである。理論的には横隔膜を引き下げることによって腹部の腸管などに溜まっている血液を押し出して循環血液量を増やして、頭に行く血流を増やすことになり、頭がすっきりして精神が落ち着き、自信が出て勇気が凛凛と湧いてくるとの理屈である。

自宅浪人なので時間があったので毎日腹式呼吸をしていたら天下に自分ほど賢く、強いものはないとの自覚を得ることが出来たが、大学に合格してからは腹式呼吸をしなかったおかげで弱弱しい人間に逆戻りしていた。

しかし本日は自分の心がどうすることも出来ないくらい弱くなってしまったので、腹式呼吸を思い出して空気をお腹に貯める呼吸をしたら効果絶大でとたんに勇気と自信が湧いてきた。

もし自信を無くし、やるせない気持ちになっておられる方がいましたならば、だまされたと思って、思い切り息を吸ってそれを数分間お腹に貯めてそこに力を入れた後吐き出す呼吸を２～３回やってみて頂きたい。腹式呼吸の指導書は書店でも売っているので、自分は弱い人間だと思っておられる方はその本などを読まれて腹式呼吸を実践なさることをお勧めする。自分でも信じられないくらいの自信と勇気が湧いてくるものである。