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今が生死

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2019.08.06
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カテゴリ:教育
昨日山梨大学から教育担当の先生方が当院に来院し、医学部教育の新しいカリキュラムの説明と病院実習の依頼があった。昔は医学部6年の教育は最初の2年は一般教育で数学、物理、生物、語学などを学び3ー4年は解剖、生理、細菌学、薬剤学などを学び、5-6年で内科、外科、産婦人科、耳鼻科、精神科などを学び、6年生の途中からポリクリと言って臨床実習をやるパターンで、臨床実習では決まった病気、例えば中耳炎とか糖尿病とか心臓病の診断と治療で病名がついた病気の勉強なので、症状から病名を診断する力はつかなかった。大学病院のようなところはすでにそのような病名のついた患者さんが集まるかも知れないが実際には頭が痛いとか手が痺れる、吐き気がする、などどういう病気か分からない患者が多い。そのような患者をどう診断するかの訓練を受けていないので医学部を卒業してもまともに診療できない人が多かった。新しいカリキュラムでは6年間にほぼ医師としての基本を身につけさせることに主眼が置かれていて5年生の後半にはStudent Doctor(学生医師)制度を作り上級医師の元で実際の医師業務実習を行う制度を作ると言う。その実習に入る前にはそれに適した人間かどうかの共用試験にパスする必要がある。卒業時の国家試験は知識を調べるためのものだが共用試験はその人間が臨床実習可能かどうかの試験なので国家試験以上に重要な試験とのことだった。その試験を通ったものが臨床実習に入るが患者がお腹が痛いと言ったらどういう病気が考えられるか最初から考える訓練を受けていくということで今までのように診断のついた病気に対応するのではなく、色々な症状のある患者をどのように診断していくかが重要になり今までよりずっと医者らしい医者が出来上がるシステムとのことだった。そのために我々のような小病院にも学生医師を来させて腰が痛いとか腕が痺れるとかの患者に対応させてどのように診断し対応して行くかを学ばせたいとのことだった。世の中は進歩しているなと思った。学生は試験試験でそれぞれの関門を突破していかなくてはならないが、今までの軟弱なトコロテンみたいな医師養成制度とはがらっと変わって実力ある医師が生まれてくる制度になるなと思った。





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Last updated  2019.08.06 18:41:10
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