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テーマ:認知症(611)
カテゴリ:健康
地域の集まりで15分くらい健康講話をしてくれと依頼を受けた。これから風邪やインフルエンザの季節になるのでその話をしようかと思ったが、先日医師会教育講座で聞いてきた「簡単に出来る若さと健康を保つ方法」を話そうと思う。
近年急激に長命化して90才以上の高齢者は珍しくなくなった。年齢だけみると平均寿命を超えており、とっくに亡くなっていてもいい人達だが、生きながらえて認知症にもならず元気で健康的に暮らしている人達もいる。アメリカの詩人サムエル・ウルマンは「青春とは人生のある時期を言うのではなく80才過ぎていても理想とか夢があればいつでも青春で反対に20歳でも失望や落胆、夢の無い状態は青春でなく老年である」と言っており、90才以上でも夢があれば青年と言ってよいのだと思われる。 それでは高齢になっても青春を謳歌できるようにするにはどうしたらよいのであろうか。それには脳を若く保つ必要がある。何もしなければ年齢と共に記憶力や認知機能はどんどん衰えて認知症になり、地域に設置されている防災用の拡声器で「だれだれさんがいなくなりましたので心当たりの人は連絡して下さい」と放送されることになる。 最近の研究で認知症になるのを防ぐ一つの簡単な方法が明らかにされた。脳の真ん中辺にある海馬を萎縮させないようにすれば記憶力や認知機能をかなり正常に保てるとのことだ。それには日常的に筋肉を使っていればそこから生理活性物質が分泌され海馬の衰えを防いでくれるとのことである。さらに、骨格筋を使うことによって転写調節因子が出現して、慢性炎症や慢性の痛み、神経痛などを軽減する機能も有しており、痛いからと筋肉を使わないでじっとしていないで痛くない部分の筋肉を動かすことによって痛みを軽減できるのである。 ところで筋肉を使うというのはボディビルをしたりマラソンをしたり腹筋をしたりなどの激しい運動をする必要はなく、普通の日常生活で良いのである。歩いたり家事をしたり、庭の手入れなどで良いのである。何もしなくてよいですとご隠居さんに祭り上げられて仕事も運動もしないでいると認知症になってしまうのである。何でもよいので体を動かしていることが認知症予防につながり、痛みを軽くして若さと健康を保つ秘訣である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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こんばんは
何もしないのが一番悪いみたいなのでなにかするように心がけたいと思います しかし難しく考えるとストレスになるのでかんたんなことでもやるようにしたいです (2019.10.12 12:59:21)
お説の通りです。優雅な隠居生活は現役で仕事をすること。自ら楽しむ趣味を持つことだと思います。私はその実践者です。何時も緊張感を維持しています。
私の母は94歳。来年正月には95歳になります。週4回のデイサービス、合間にはボケ防止のドリルをしています。手先も器用で、紙細工や布で人形など色々創作しています。耳は遠くなりましたが、母は私の鏡です。長生きする人間は並の方とは異なります。生きる努力をしています。 (2019.10.12 16:00:47)
moto,jcさんへ
認知症のタイプには色々ありますが、中でも最も多いアルツハイマー型認知症は脳の神経細胞が徐々に死滅してベータアミロイドが蓄積してくる病気で、だんだん進行するけれどそれを逆に戻す、つまり元通りに治すことはできないと言われています。従って認知症の薬は治す薬ではなく進行を遅らせる薬とされています。最近明らかにされたのは海馬が元気だと脳の神経細胞は死滅しないということでした。そこで海馬を元気にしておく方法が色々研究されており、一つは骨格筋を使うと生理活性物質が分泌されて海馬を活性化することが分かってきて、何等か体を使うことが認知症予防になることが分かってきました。難しく考えるとストレスになると書いてありましたが、どのように体を動かしたら効果があるかを考えていたらおっしゃるとおりストレスになると思いました。そのようなことは考えず何か自分の好きなことを趣味としてやるのが良いかもしれませんね。盆栽や花の手入れなどしている人はボケないようですので機械いじりとかボランティア活動とか意識しないで体を動かすのがいいのだと思います。 (2019.10.12 18:12:25)
ご隠居さんへ
老後の生き方について身近に生きる鏡があり心強いですね。週4回デーサービスに行っているとのことこれも大変効果的だと思います。外来に来る患者さんの中でもデーサービスに行くようになってから元気になったという声をよく聞きます。認知症の予防、認知症の進行防止、認知症の改善にすごく効果があると思っています。私の親戚の女性はパーキンソン病で体の自由がきかず家の中でじっとしています。ご主人と二人暮らしでご主人が入浴など全ての面倒を見ています。ご主人は腰痛もありその苦労は並大抵ではありません。病気はどんどん進行しており、デーサービスに行って皆とふれあい体を動かせば気分も明るくなり、ご主人の負担も軽減すると思われるので我々周囲の者や市役所の人が助言しますが頑としてデーサービスには行きたがりません。ご主人は泣きたい気持ちですが奥さんがそう言い張るのでそれに従っています。どんなにいい制度があってもそれを利用しようとしない人には何の役にも立ちません。何とかならないものかと毎日悩んでいます。 (2019.10.12 18:33:34) |