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今が生死

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2021.02.25
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カテゴリ:生き方
今朝玄関先に咲いていたツバキ

本日85歳の大腿骨頸部骨折手術後のリハビリが終了した女性が退院した。認知症があり、何度も転んでおり今度も転倒して大腿骨頸部骨折して手術を受けた。手術後誤嚥性肺炎になったり腎盂炎になったりして食事が食べられない状況になったが少し改善したということで当リハビリテーション病院に転院してきた。
当院入院時は口唇及び口腔内は腫れて出血しており、声も出なくて食事は食べられる状態ではなく、夜は騒いでいて眠らず昼はぐったりしてねむっており、骨折後のリハビリとのことだったが、それ以前の段階で回復は望めそうもない状態だった。
口腔内の腫れと出血については歯科医に毎日洗浄してもらいながら抗生物質を投与した。昼夜逆転については睡眠剤を色々変えながら調整してみた。回復は望めないのではないかと思っていたがしばらくして口腔内の炎症が治まり、食事が食べられるようになり、夜眠れるようになって本日退院の日を迎えてニコニコしながら退院していった。自分と他人についての認識は不確かだが医療スタッフや家族は分かるようだった。入院時の大変な状況から改善したのは我々の力よりその人の生命力が強かったからではないかと思っている。
本日入院した95歳の女性は転倒の記憶はないとのことだが12番目の胸椎の圧迫骨折で歩行障害と痛みで入院してきた。難聴はあるが認知力は保たれており、骨折のリハビリ専門で行けるのではないかと思われた。
午後はK病院から紹介されて入院している81歳男性の家族と面談した。K病院では難治性誤嚥性肺炎で治療してきたが食事も食べないし、薬も飲まない状態で胃ろう治療しようとしたら断られ点滴だけで最後まで看取って欲しいという内容で紹介されてきた。面談では「偽膜性腸炎があり、それは点滴では抗生物質が腸管に達することが出来ないので鼻管を入れてそこから注入したい。鼻管を入れればそこから栄誉も補給できるので今の点滴法より栄養を補うことが出来る」と提案したが家族はそれを断った。本人が元気な時に延命治療は受けたくないと言っていたからとのことだった。
別の家族は意識はほとんどなく自分も他人も家族も全然分からない状態でも胃ろうを造るか鼻管を入れるかして少しでも命を伸ばしてもらいたいと望む。今日の家族はその反対だったがご本人がそのように望んでいたのなら鼻管は入れないで点滴だけで最後まで面倒見ることにしましょうということになった。
以上3人の病態について概説したが最初の人は自分が病気かどうかも分からない認識力だったが自分の生命力と看護師やリハビリスタッフのお陰で元気になり喜んでいた。2番目の人は95歳と高齢だが認知力はしっかりしており骨折が治れば元気に退院できるのではないかと思われた。3番目の人は食事が食べられなくなったら何もしないでそのままにしてくれと家族に言っていたようだが点滴もしないという訳にも行かないので点滴しながら見守っている。
終末期の対応は3人3様で一概に年齢が上だから何もしないで若ければ色々延命治療するという状態ではない。個々の症例に応じて対応していくが最後の症例81歳男性の方は今時では高齢でどうしようもないという年齢ではないが、延命治療拒否を決めており、前もって家族と話し合って最期の状態について決めておくのはよい事だと思っていたがケースバイケースで最後まで全力で治療を受ける選択もありだと思った。





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Last updated  2021.02.25 21:20:59
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 Re:人の最期の決め方はケースバイケースだが難しい判断もある(02/25)   ご隠居 さん
人生の終末治療、ご家族が大変なのは勿論ですが、それを預かる医療スタッフのご苦労が伺えます。大変のことですね。

幸い私の母は97歳になりましたが週3回のデイサービスに通っています。
先般、便秘で苦しみましたが、妻と浣腸をしてあげたら食欲も出て元気になりました。本人も生きるための努力を怠りません。年齢から1年を過ごすのが我々の4年分に相当する位に感じます。

100歳の誕生日を迎えさせてあげたいのですが、来年の誕生日まで生き続けることも大変の負担だと思います。現世を生きることも実に大変です。
私は母より20数歳若いのですから、弱音は言えません。生涯現役を目指して励みます。 (2021.02.25 22:28:07)

 Re:人の最期の決め方はケースバイケースだが難しい判断もある(02/25)   kkkdc796 さん
本日85歳の大腿骨頸部骨折手術後のリハビリが終了した女性が退院した。認知症があり、何度も転んでおり今度も転倒して大腿骨頸部骨折して手術を受けた。手術後誤嚥性肺炎になったり腎盂炎になったりして食事が食べられない状況になったが少し改善したということで当リハビリテーション病院に転院してきた。
◎今朝玄関先に咲いていたツバキは鮮やかな色ですね。
3者三様の高齢者の医療現場の実例ですね。最後の人の本人を含めて家族で延命治療をしないでという事を家族で話し合って決めている老後が本来あるべき姿ですね。国、県市町村、医師会等がこうしたテーマについて多角度から協議を重ねて予防医学の大切さ、延命治療の有り方のいれこれを家族、患者が頭がしっかりしている時に話し合う機会を持てるようにしていくことが大切だと思いますね。高齢者医療はこれからますます高齢者の数が増えてくる超高齢者社会ですからね。
貴方は人生の終焉治療に立ち合い医療業務を黙々と行っている。ご苦労さんです。
福祉の充実した国を私は旅で見てきましたが国が墓場まで見守るサポート体制こそ豊かな国の証明書です。 (2021.02.26 09:49:15)

 お母さんは高齢者の見本   楽天星no1 さん
ご隠居さんへ

週3回デーサービスに通っているとのこと。無理やり連れて行くわけにいかないので本人が行く気になり、行って楽しいかが問題になります。恐らく本人が楽しんでいるのではないかと思います。何歳になっても人と触れ合うのを嫌がらず、折り紙などにやる気を出してくれるご老人はそれをお世話するスタッフにとっても嬉しく励みになります。そのような高齢者なら歓迎ですがそうでない人もいるので、そちらの方に精力とエネルギーを使っています。
(2021.02.26 13:16:47)

 予防医学の大切さと延命治療のあり方   楽天星no1 さん
kkkdc796さんへ

「国、県市町村、医師会等がこうしたテーマについて多角度から協議を重ねて予防医学の大切さ、延命治療の有り方について家族、患者が頭がしっかりしている時に話し合う機会を持てるようにしていくことが大切」

おっしゃる通りだと思います。各家庭においては勿論、住んでる地域でも皆さん知らないうちに高齢になり、その高齢者が家庭や地域を守って行かなければならない現実があります。それならよぼよぼの高齢者でなく元気な高齢者でなければなりません。予防医学つまり高齢になっても元気でいられる生活法が重要になってきます。それを心掛けていてもいつかは病気になり死ぬことは必定です。その時にうろうろしないでどう対処するかは本人や家族で元気なうちに話し合って決めておくべきですね。その話し合いがないと家族や医療者、そして本人も必要以上に苦しむことになると思います。 (2021.02.26 13:32:39)

 Re:人の最期の決め方はケースバイケースだが難しい判断もある(02/25)   ケイサン9574 さん
 延命治療については、患者も医師も迷う所ですね。
元気の頃に言ったというのも、その時の年齢、状況などとも微妙なものと思います。
元気の頃は、誰でも延命治療は、せんといてやと言うでしょう。その辺を医師は、家族によく聞いてほしいです。もちろん、認識が出来る患者さんには、直接医師が、聞くのでしょうか。 (2021.02.27 20:59:00)


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