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今が生死

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2021.04.07
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カテゴリ:感動したこと
ツルニチニチソウ

昨日の新聞に山口東京理科大学薬学部教授の井上幸江さんの遺伝子に関する論説が掲載されていた。
人類が地上に誕生して約700万年、その間様々な環境の変化に対応して生き延びてきたがその生き抜く力は生命の設計図である遺伝子に刻まれ、それが順次、次の世代に受け継がれてきた。
私達の体は約37兆個の細胞から成り立っており、その一つ一つの細胞の中心にある核に遺伝子が入っている。遺伝子は私達の体を形作り、いかに機能するかの情報をもっており、これを設計図として私達の体はスタートしてきた。しかしその遺伝子はDNAという二重らせん構造物の一部であり、1.5%ほどを占めているが一人の人間の個別化はDNAによってなされている。
白人がいたり黒人がいたり頭の良い人や悪事を働くような人がいても全ての人のDNAは99.9%は同じとのことである。それなのになぜ足の速い人、遅い人、病気に罹りやすい人、罹りずらい人などの違いが生ずるのであろうか?それはDNAに遺伝子に働きかけるスイッチのようなものがあり、スイッチのオン、オフにより遺伝子の働きが変るかららしい。
例えば食べても太らない人は脂肪を燃焼するスイッチがオンになっており、病気に罹らない人は免疫を高めるスイッチがオンになっているということである。多くの場合このスイッチは常にオンではなくむしろオフになっていて必要に応じてオンになり、それによって様々な種類のタンパク質が作られ体内で多彩な働きをすることになる。
スイッチのオン、オフに関わっているのは様々なストレスである。温度の変化や紫外線と言う物理的ストレス、置かれた環境に酸素や水分があるかといった化学的ストレス、細菌やウイルスなどの侵入によって引き起こされる生物的ストレス、さらに精神的緊張によるストレスなども考えられている。
私達の生命はこうしたストレスを敏感に感じ取り遺伝子スイッチを切り替える。例えばあるウイルスが侵入してきたら体温調節のスイッチがオンになり、ウイルスが増殖できない温度に発熱して感染、拡大を抑えてくれる。このように私たちの生命は必要に応じてスイッチをオンにして私たちの体を一番いい方向に持って行こうとしてくれる。
自分の運命は親から受け継いだ遺伝子によってほぼ決められてしまうと思っている人がいるかもしれないが運命は最初から決められたものではなく、スイッチのオン・オフによって決められるのである。このオン・オフを決めるのは私達の行動にかかっている。適度な運動、睡眠、食事などバランスの良い生活習慣によってスイッチも適度に保たれると考えらえている。心と体は密接な関係にあり、精神的に弱っていると病気に罹りやすくなり、心が喜びで満たされていると体も元気になることが多い。ハーバード大学の研究で祈りと言う行為によって2000以上の遺伝子スイッチが働くという発表があり、宗教的行動によっても遺伝子スイッチのオン・オフが起こることが示唆されている。

井上さんは青春時代に「何のために生まれてきたのか」で悩み、ある宗教に縁することによって「いかなる苦しみがあっても前を向き、目の前の一人のために心を砕くために生まれてきたのだ」との回答を得たという。人間は遺伝子レベルで99.9%同じであり全ての人に差別なく豊かな可能性がある。時には気分が落ち込み自信が持てない時もあるかもしれないが、どこかの遺伝子スイッチが適切に調節できれば誰しもが生き生きと輝くことが出来るはずと述べていた。
親からの遺伝で自分はこれだけの人間でこれ以上伸びることは出来ないと落ち込み悩んでいる人がいたなら勇気を与えてくれる論説だと思った。





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Last updated  2021.04.07 13:13:08
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