今が生死

2021/10/30(土)11:56

有機農業に挑戦している井村さんは当にフロントランナー

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庭の片隅で夏ごろからずっと咲き続けているチェリーセージ 今朝の新聞でのフロントランナー紹介は有機農業をしている井村辰二郎さん(57歳)だった。 石川県金沢市の郊外で約180ヘクタールを耕し有機栽培でコメ、麦、大豆などを生産している人である。33歳の時に会社員を辞めて家業の農家を継いだ。千年後もこの地を耕し続けられるような持続可能性と生物多様性に対応できる農業をしたいがそれには有機農業に切り替えるしかないと決意して挑戦してきた。我が家にも庭の片隅に小さな畑があるが消毒しなければ白菜など穴だらけになってしまう。化学肥料や殺虫剤、除草剤を使わない農業なんて想像できない。 今年5月に農水省は有機農業の面積を2050年までに全耕地面積の25%、100万ヘクタールに増やすと発表した。現在の有機の耕作面積は0.5%だから25%というのは途方もない夢のような数字である。 井村さんは「有機農業を20年も続けていると生体系が豊かになります。害虫も多いが益虫も多い。自然界に一人勝ちはありません。害虫が増えれば捕食する虫や鳥が増える。1~2割生態系に分けてやって減収しても長い目で見れば減収にならない」という考えに至っているとのことである。 しかし有機農業には害虫だけでなく赤カビ病や雑草などの問題もある。それらに対しても農薬や除草剤を使わない農業が如何に大変だったかが分かるがそれらにも井村さんは緻密、厳格に対応してきた。様々な困難と努力を積み重ねてきた結果として現在があるのだと思う。 今は有機野菜を使って豆腐、味噌、醤油などを自ら加工生産して消費者に届けているとのことである。ワインも作って販売するようになったが今の所ワインの原料のブドウは従来法での生産だがいずれ有機栽培のブドウを使うようになると思われる。 農水省が有機農業25%にするとの夢みたいな目標を設定したが、井村さんを見習い第2、第3の井村さんが出現してきたら夢ではなくなる。化学肥料、消毒薬、駆虫薬、除草剤などは形の良い綺麗な野菜を得るために人間の知恵で発明されたが、長い目で見ると人体に悪影響を及ぼすことは分かっている。その危険を避けると同時に自然界との調和を図ろうとしている井村さんは偉いと思った。

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